「大日本サムライガール5」
一見さんお断り、だよ?だよだよ?
レビュアー:オペラに吠えろ。 Lord
断言してしまおう。
「大日本サムライガール5」は一見さんお断りの一冊だ。
* * *
これは小説に限ったことではなく、シリーズ物の宿命として、長くなればなるほど新規に読者を開拓しにくくなる傾向がある。本書のように1巻からストーリーが連続している作品は尚更だろう。だが、本シリーズが巧みだったのは、4巻までは毎巻、新キャラクターのアイドルが登場していたことだ。
前巻を読んでいる人も読んでいない人も、新キャラクターについては「何も知らない」。そして新キャラクターを中心に話が進んでいたので、シリーズに対する知識がなくても楽しむことができた。しかし、5巻からは明らかにストーリーの方向性が変わる。未読の人のために詳細は省くが、メイン格の新キャラクターは登場せず、すでにわたしたちが知っている某キャラクターに大きな変化が訪れるのだ。
これまでが「広く浅いストーリー」だとしたら、ここからは「狭く深いストーリー」になるといってもいい。言ってしまえば、前巻までで役者がそろい、この巻からは新章が始まった。一見さんお断りといったものの、それは裏を返せば、一見さんではない人=シリーズのファンならばこれまで以上に楽しめるということ。これまでの4巻にわたって張られていた伏線の一部が回収されるあたりは、その真骨頂。これまでは脇役でしかなかった某キャラクターの一面が掘り下げられ、そのことで彼女が一層魅力的に写るのは、実に見事といえるだろう。
現時点で7冊が出ているシリーズを今、一から読むというのは大変だと思う人も多いだろう。そのことは否定しない。それでも、4巻までは一見さんにも優しい作りになっていることは既述の通り。だから未読の方には、試しに1冊読んでみることを薦めたい。
「大日本サムライガール5」は一見さんお断りの一冊だ。
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これは小説に限ったことではなく、シリーズ物の宿命として、長くなればなるほど新規に読者を開拓しにくくなる傾向がある。本書のように1巻からストーリーが連続している作品は尚更だろう。だが、本シリーズが巧みだったのは、4巻までは毎巻、新キャラクターのアイドルが登場していたことだ。
前巻を読んでいる人も読んでいない人も、新キャラクターについては「何も知らない」。そして新キャラクターを中心に話が進んでいたので、シリーズに対する知識がなくても楽しむことができた。しかし、5巻からは明らかにストーリーの方向性が変わる。未読の人のために詳細は省くが、メイン格の新キャラクターは登場せず、すでにわたしたちが知っている某キャラクターに大きな変化が訪れるのだ。
これまでが「広く浅いストーリー」だとしたら、ここからは「狭く深いストーリー」になるといってもいい。言ってしまえば、前巻までで役者がそろい、この巻からは新章が始まった。一見さんお断りといったものの、それは裏を返せば、一見さんではない人=シリーズのファンならばこれまで以上に楽しめるということ。これまでの4巻にわたって張られていた伏線の一部が回収されるあたりは、その真骨頂。これまでは脇役でしかなかった某キャラクターの一面が掘り下げられ、そのことで彼女が一層魅力的に写るのは、実に見事といえるだろう。
現時点で7冊が出ているシリーズを今、一から読むというのは大変だと思う人も多いだろう。そのことは否定しない。それでも、4巻までは一見さんにも優しい作りになっていることは既述の通り。だから未読の方には、試しに1冊読んでみることを薦めたい。