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「独裁者の最強スピーチ術」のレビュー

銅

独裁者の最強スピーチ術

レビュアー騎士団のみなさーん!

レビュアー:AZ AdeptAdept

 レビュアー騎士団みなさーん、この度は私の拙筆を読んでいただきありがとうございます。
 突然ですが、みなさんは自分のレビューを面白いと思っていますか? もちろん、掲載されたものには何かしら面白い部分があるのでしょう。そういった、客観的な評価があれば、私も面白いと思うことができます。しかし、主観的に、自分自身の評価で自分のレビューを面白いと思うこと、できますか?
 私は、自分のレビューを心から面白いと思うことができない。真面目で、四角四面で、型を破ることができない、そう思っています。そして、そんなつまらない自分を壊すために、どうすればいいのか日々悩んでいます。
 だからこそ、私はこの『独裁者の最強スピーチ術』という本を手に取りました。民衆を惹きつける独裁者たちのスピーチには、どんな技術が隠されているのか。その技術を盗むことができれば、もっと魅力的な文章が書けるかもしれない。そんな期待をしつつ、この本を読みました。
 本書では、悪名高きヒトラーや現代の独裁者ともいわれる橋下徹大阪市長のスピーチについて比較、分析をし、彼らのスピーチのどこに人を惹きつける力があったのかが解説されています。二人のスピーチには、非常に多くの共通点があったというのは、とても興味深いことでした。そして、その共通点こそが時代を越えて人を惹きつける力でもあったのです。
 例えば、ヒトラーも橋下徹も、スピーチの中で何か敵を設定し、それを乗り越えていくといったストーリーを展開しています。ヒトラーであれば共産主義者やユダヤ人、橋下徹であれば市長選の対立候補であった平松市長が敵にあたります。それらと戦い、苦心して乗り越えていくというストーリーが、人を感動させ惹きつけさせているのです。
 今回のレビューは、本書で紹介されている「人をとりこむスピーチ術10ヵ条」を存分に参考にして書いています。敵を設定するというのもその一つです。どうでしょうか。みなさんが面白いと感じてくれているかどうかはわかりません。しかし、私は新しい技術を得たことで、つまらない自分を少し壊し、前進できたと感じています。
 私は、騎士号を目指したい。レビュアー騎士団の最前線に立ってみたい。そのために、自分のつまらなさに打ち勝ちたい。
 レビュアー騎士団のみなさーん!
 みなさんはどうでしょう? 面白くて、人を惹きつける文章、書きたいですか? それとも、いつまでも自分の殻を壊せないままでいたいですか? もし、自分の殻を壊したいなら、少しでも前進したいなら、この本を手にとってみてください。そして、もっともっとレビュアー騎士団が盛り上がるよう、最高に面白いレビューを書いていこうじゃありませんか!

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2014.01.29

「独裁者の最強スピーチ術」のレビュー

銀

独裁者の最強スピーチ術

独裁者諸君に告ぐ。

レビュアー:オペラに吠えろ。 LordLord

 結婚式のスピーチは地獄であると聞く。しゃべる方が、ではない。聞く方が、だ。
 思い返してみれば小学校のころ、朝会での校長の話は5分も続けば、飽きた。運の悪い結婚式のスピーチに遭遇してしまった知人の話によると、その校長の話を30分くらいに引き延ばし、さらに自己顕示欲だのお世辞だのをまぶしたのが結婚式でのスピーチだという。それは嫌だ。想像しただけで嫌だ。おまけにそういう輩は社会的立場が高く、なおかつお祝儀をたっぷり包んでいるものだから誰も何も言えないのだという。いやはや、まさしく独裁者である。

 そんな独裁者諸君に勧めたいのが本書「独裁者の最強スピーチ術」である。悪名高き独裁者であるヒトラーはスピーチの名人だったというのをスタート地点に、彼のスピーチを分析。さらには現代日本で「独裁者」とのレッテルを貼られている政治家である日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長のスピーチと比較するという趣向はそれだけで面白く、なおかつ実用的だ。「人をとりこむスピーチ術10カ条」として要点が簡潔にまとめられているのもいい。

 また本書の中では、ヒトラーのスピーチは2時間以上にわたることも珍しくなかったと書かれている。それでいて人を全く退屈させなかったというのだから、すごいの一言だ。「独裁者」という言葉の響きは悪いが、何かしらに光るところがあったからこそ「独裁者」と言われるようになったのは衆目の一致するところであろう。その一つが、スピーチ術だったわけである。

 せっかくの晴れの場で独裁者にならないために、ぜひとも読んでいただきたい一冊だ。

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2013.07.08


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