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「銀」のレビュー

銀

決断できる人は2択で考える

ビーフオアチキン?

レビュアー:ラム Adept

題名の通りである。

小学生の頃、書道で新しく書いた1枚と前のものを比べて、上手に書けた方を勝ち残りで提出していたのを思い出した。

実際の生活でも、そうやって無意識に2択を続けて決断しているらしい。

それを、こういう時は必ず右、とかこうする、とか意識的に決めておくのが即断即決できる秘訣だそう。

面白いのは、あくまで決断できるというだけなところだ。
決断したから運気があがるわけでも成功者になれるわけでもない。悩まなくていいことでうだうだ迷う時間を節約できるだけ。
即断即決が全て!というわけではない。決断することで時間を有効活用するだけだ。悩むべきところで悩める時間があるように。

好きになる俳優がアヒル口ばっかりで、顔しか好きじゃないのかなってちょっと悩んでたわけ。
そういう顔が好きなんだからしょうがないって、割り切ればいいんだと書いてあってちょっと衝撃だった。
確かに考えてもどうしようもなかったわははははは!!

でも買い物とかは、悩みながら決める方が楽しいときもある。こういうのは、決断できなくて困ることでもない。そういう時間の使い方が嫌いではないわたしは完全に優柔不断です。
でも、いざというときにはきっと。

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2014.06.18

銀

「選挙フェス」17万人を動かした新しい選挙のかたち

週末、会いに行きます

レビュアー:ヴィリジアン・ヴィガン Warrior

 この本を手にした理由は、著者である三宅洋平が私の住む田舎から車で一時間ほどの街のライブハウスに来ると知ったからだ。
 名前は見たことあるなぁと思ったら、この前の選挙に出馬したミュージシャンだった。私は何故か、彼に良いイメージを持ってなかったので、とりあえずこの本を読んでみることにした。

 三宅洋平のインタビューとライター岡本俊浩の文章が交互に読める作りになっている。フォントの大きさや、紙の色まで変えてある。
 面白く感じたのは成功物語ではないということ。
 17日間の選挙活動に挑み、各地で「フェス」をやり17万人を超えるけして少なくない票を集めながら、負けてしまった三宅や彼をサポートした人々の姿が、生き生きと描かれる。
 17万の票を集めながらも当選できないという結果も、多くの人がいかに選挙のシステムを知らないかという事実を浮き彫りにしているようにも思う。
 私がいいイメージを持っていなかった理由も書かれていた。「メールメール大作戦事件」である。スタッフのミスで投票を依頼するメールを一斉送信してしまったのだ。
 当時、ツイッターで、私はこの件に関する多くの批判を目にしたことを思い出した。しかし、それだけの理由で彼の存在を全否定することもないように感じた。誰にだってミスはある。私だってある。

 この本を読むと、私とは住む世界が違い過ぎる人だという印象を強く受けた。
 ベルギー生まれ、早稲田大学卒業、リクルートに就職するも9ヶ月で辞めてバンド活動。
 「ヤーマン」という挨拶を使う。何それ? ヤーマンというのはレゲエ文化の挨拶なんだとか。知らんかった(笑)
 でもまあ、おおまかにではあるけれど、どんな人物なのかは分かった。理解しにくい人ではあるが、悪い人ではなさそうだ。とりあえずライブを観に行ってもいいかなと思い前売り券を購入した。
 つまり、この本には、私があんまり良いイメージを持ってなかった人がやるライブを「とりあえず行ってみようか」という気持ちにさせるだけの力はあるという事だ。
 もし話す機会があれば「ヤーマン」って言ってみようと思う。

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2014.06.18

銀

レッドドラゴン

ヤラセだとしても

レビュアー:ジョッキ生 Knight

2年以上にわたる更新が、ついに終わってしまった。

レッドドラゴンとは、豪華作家人・イラストレーターが競演したTRPGを連載したものだ。TRPGとは、例えるなら、ドラクエみたいなRPGを即興劇で演じたようなもの。ただし、途中の行動、選択肢はサイコロの目によって決定されるという、多分に偶然性を含んだアナログなゲームになっている。それゆえに、思いもしない方向に話が転がったりして面白く、先の見えない展開が光るゲームだ。

この偶然性の積み重ねが奇跡を起こし、無事結末へと至ったわけだが。終わってみて思うのは、ちょっと出来すぎじゃね?ってことだ。つまり、ヤラセの可能性を疑う自分がいる。すべては台本通り、打ち合わせに則って行われ、失敗してしまった所はカットされて、再プレイされていたなんてことがあってもおかしくはない。なぜなら、読んでいる僕らには結果だけが知らされるし、オープンな場でこれらが行われたことはないからだ。だから、ケチを付けようと思えばいくらでもできる。

でも、僕はあえてしない。なぜなら、この物語は面白かったからだ。ヤラセかどうかなんて気にしなくなるほどに面白かった。ただそれに尽きる。

ヤラセに憤慨する人の気持ちを考えた時、信じていたのに騙された的な、リアリティを追求した結果起こる齟齬が原因な気がする。そりゃあメディアに属するものは基本娯楽だし、特にバラエティとして放送してるものに真実もへったくれもねえだろとは思うんだけど、そう思わない人もいるんだろう。だから、このレッドドラゴンもきっとヤラセじゃねーのと追及し、実際にヤラセだった場合、憤慨する人も出てくるのかな?とは思う。

でもね、個人的にはどっちでもいいと思ってる。前にも言ったが面白かったからそれでいいやって思ってる。それは僕の中の大きく占める概念として面白ければ許すというものがあるからだ。それは人生を楽しく生きるためのルールにしているんだが、笑わせたもの勝ちだなって思ってる。人を笑わせるって結構難しい。だから、僕はそれが出来る人に最大級の賛辞を送りたい。それゆえに辿り着いたのが面白ければ許す、この概念だ。

創作物なんて大抵フィクションだよ。楽しめればいいんです。特にそれ以上のことを求めるのはちょっと酷ではないかい?だからそこは童心に戻った気持ちで楽しもうじゃないか。不毛な探りあいなんてやめて、ただ楽しもうよ。このレッドドラゴンというコンテンツは、それに足る娯楽であると僕は思っている。

レッドドラゴンで紡がれた物語。それは最初から最後まで出来すぎた物語だった。対立関係にあったローとスアローの結末や、忌ブキが王になったこと等、偶然を重ね合わせたら必然に落ち着いたという、なんとも現実的なお話だった。そこに僕はなるようにしかならないという人生訓みたいなものを見いだしたが、どうだろうか。この物語を偶然が生んだのなら奇跡を、必然が生んだのなら喝采を。どちらにせよ、僕はこの物語に最大級の賛辞を送りたい。

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2014.06.18

銀

「僕は写真の楽しさを全力で伝えたい!」

僕らが住むこの世界では写真を撮る理由がある

レビュアー:オペラに吠えろ。 Lord

 写真を趣味にしてみたいけれど、何となくハードルが高く尻込みしている……という人は、きっと多いに違いない。恥ずかしながら、僕がそうだった。だってほら、写真ってかっこいい。いつもは「読書、映画鑑賞」としか書けない「趣味」の欄が「読書、映画鑑賞、写真」になるだけで、何か人間としてレベルアップした気になる。ふしぎっ!

 なのに未だに写真を始めていない理由はだいたい百個くらいあるのだけど、始めるきっかけがないというのが最大の理由です。写真を始めるにはカメラをそろえないといけないし、そのカメラは高価だし、レンズはもっと高価だし、そもそもこんな言いたいことも言えない世の中で何を撮ればいいというのポイズン(by 反町隆史)。

 そんなわけで「趣味:写真」への一歩を踏み出しかねていた僕が手に取ったのが本書「僕は写真の楽しさを全力で伝えたい!」だった。「スクールガール・コンプレックス」などで注目の写真家・青山裕企が「写真」への愛をぶちまけた一冊なのだけれど、僕は本書から「何を考えずとも、ただシャッターを切れば、それが『写真』になる」と教わった。一眼レフである必要なんてない、iPhoneのカメラでもいい、ただとにかく写真を撮れ、と。

 で、本書を読み終えた後、早速、僕も携帯のカメラで目の前にあったものを撮ってみました。ビールジョッキでした。でもね、一言にビールジョッキといっても、お店によってはジョッキが凍っていたり、ビールの泡がこぼれていたりとか、いろいろ違いがあるわけです。まあ何が言いたいかというと、ビールは美味しいし、写真は面白い。

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2014.06.18


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