スーサイドクラッチ
えっ? これで終わり?
レビュアー:ヴィリジアン・ヴィガン Warrior
広げた風呂敷は畳まれなかった。というのが読後の率直な感想だった。
1作目「ストーンコールド」から伏線として、存在だけはほのめかされていた逃がし屋の息子・秋斗が3作目の主人公。
彼の家に住みついたリストカッター少女・美尋。
お馴染み魔術師スカンク・バッツが作る合法ドラッグの実験台である榊。
3人に共通しているのは「もう人生終わってるけど、自分で終わらせる程でもない」という緩やかな絶望だ。
秋斗は、中学時代の同級生で行方不明になっている沙都を、諦めていたにも拘らず探すことになる。
スポーツマンだった秋斗が、スカンクのドラッグでボロボロになった体を、再度ドラッグで強靭に鍛え上げていく過程は、力強くも悲しい。同時にそうしなくてはならない焦りと後悔も痛いほど共感できてしまうのだが。
秋斗、美尋、榊の3人が「終わり」に向かって進んでいるのを、自分の目的のため利用しているのがスカンクで、その様子は、もはや相手を使い潰しているようにすら見える。
シリーズ3作目にしてまさかの伝奇小説。そして物語は中途半端なまま幕を下した。
正直「えっ? これで終わり?」と何度も読み返してしまった。
B級ゾンビ映画が予算切れで唐突に終わっても、過程を楽しめる人にお勧め。
本音を言えば続編希望。
1作目「ストーンコールド」から伏線として、存在だけはほのめかされていた逃がし屋の息子・秋斗が3作目の主人公。
彼の家に住みついたリストカッター少女・美尋。
お馴染み魔術師スカンク・バッツが作る合法ドラッグの実験台である榊。
3人に共通しているのは「もう人生終わってるけど、自分で終わらせる程でもない」という緩やかな絶望だ。
秋斗は、中学時代の同級生で行方不明になっている沙都を、諦めていたにも拘らず探すことになる。
スポーツマンだった秋斗が、スカンクのドラッグでボロボロになった体を、再度ドラッグで強靭に鍛え上げていく過程は、力強くも悲しい。同時にそうしなくてはならない焦りと後悔も痛いほど共感できてしまうのだが。
秋斗、美尋、榊の3人が「終わり」に向かって進んでいるのを、自分の目的のため利用しているのがスカンクで、その様子は、もはや相手を使い潰しているようにすら見える。
シリーズ3作目にしてまさかの伝奇小説。そして物語は中途半端なまま幕を下した。
正直「えっ? これで終わり?」と何度も読み返してしまった。
B級ゾンビ映画が予算切れで唐突に終わっても、過程を楽しめる人にお勧め。
本音を言えば続編希望。