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「月の珊瑚」のレビュー

銅

最前線コミックス「月の珊瑚」

ウェブコミックスについて

レビュアー:ゆいず NoviceNovice

フォロワーさんのつぶやきでレビュー騎士団なるものを知りました。
ですからここのWebや星海社にアクセスするのは初めてのことになります。

まず星海社の知識はアニメのFate/stay nightと/Zeroぐらいしかありませんでした。
ここ数年ぐらい前から再びアニメを観るようになって提供テロップで星海社の名を見るぐらいの知識しかなかったのでした。

Webコンテンツとしての最前線ではDRMフリーというのが素晴らしいと思います。
時間がなくて小説やコミックスをほとんど読まなくなった自分には好きな時間に色々な場所で即座に読めるのはとても素敵なこと…。

最前線topから最新掲載作品を眺めて、始めに女の子の絵に惹かれて見たら、原作奈須きのこの名前に気づいて「月の珊瑚」を読んでみました。

さて本題のレビューです。

ほとんどの人類が滅亡した後の未来の地球と月の物語でしょうか?
世界観はまんま竹取物語そのものでしょう。
過去の月に海があって珊瑚やサカナが存在した設定になっていて(いや現在も月に海が存在してるのかもしれませんが)、
月のサカナを求愛を受け入れる条件にして求愛を拒絶するお姫さん。
今の女性の結婚しない願望に通じるものがありますね。
結婚しない子供を作らないってことが、人類が滅亡する…いや、した理由なのかもしれません。

さて第3回配信でロボットみたいな商人にそそのかされて、創作活動を始めるお姫さん…。
それがお伽話になるのか?、SF大叙事詩になるのか、ただの恋愛ライトノベルなるのか?
…って単行版を読めって言われそう((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル

PS.最前線の会員登録してしまったよ(´・ω・`)

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2013.07.08

「月の珊瑚」のレビュー

銅

月の珊瑚

どこかで見た光景

レビュアー:ひかけ NoviceNovice

「月」と聞くとみなさんはどんなことを思い浮かべますか。

地球の衛星?

「太陽」と対を為すもの?

または女性の…。

古来より「月」というものは様々な物語に登場してきました。そして「月」を扱った物語で日本人にとって最も馴染みのあるものと言えば「竹取物語」でしょう。

今は昔、竹取の翁といふものありけり。野山にまじりて竹を取りつつ、よろずのことに使ひけり。名をば、さぬきの造となむ言ひける。その竹の中に、もと光る竹なむ一筋ありける。あやしがりて、寄りて見るに、筒の中光りたり。

中学校のときに暗誦したのではないでしょうか?古典への導入への第一歩、それがこの作品なのですから。少なくとも私はそうでした。中学生の時分には「なんだこれ!ただのかぐや姫じゃん!」とはしゃいだりしたものです。

さて、そろそろ本題へ入りましょう。ここまで言えば察しがつくと思います。そうです。「月の珊瑚」と「竹取物語」との関係について論じたいと思います。私はこの「月の珊瑚」の漫画のほうしか読んでいませんが、この作品が「竹取物語」を意識して作っていることは容易に想像できます。

「アリシマの君」という「君」という言葉。十二単…ではないですが和装をしている女の子。鳥居。簾。姫。そして婚姻の条件で掲示した「月のサカナを用意できますか?」という無理難題。アリシマの歌。和風な建築物。数々の求婚者。そして満月。

昔の記憶を掘り返してください。竹取の翁が光る竹を割り、9センチくらいの女の子を拾い、かぐや姫と名付け、大きくなるまで育て、様々な求婚者をバッサリと切り捨てていく。そんな描写がありましたよね?まさにこれと同じようなことをやっているのです。奈須きのこは明らかに意識している。これは明白です。ではなぜ「竹取物語」をオマージュしているか、そんなことは皆目検討も付きません。ですが「竹取物語」を意識して読者は読み進めるべき、それだけは断言できます。

海月姫 愛の内実 知らねども 幸福こそは 知られけれ

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2013.06.22

「月の珊瑚」のレビュー

銅

月の珊瑚

極上の御伽噺

レビュアー:大河 NoviceNovice

『奈須きのこ』の名を書店で見かけ、購入してから早1年と半年。
 誰でもない自分に急かされて、先日ようやく本を開いた。
”本に点数なんて付けられませんよ”
 読み終えて、それから。
 そんな言葉が頭をよぎった。
 
 恋愛の話としては王道的なもので、相互理解の叶わない、それでも想い合う二人を丁寧に描いている。『極上のSFラブストーリー』を謳うのは伊達ではないと思った。
 思った、が。
 私が圧倒されたのには、別の理由がある。

『御伽噺(童話)』
1. 大人が子供に語って聞かせる昔話や言い伝え。
2. 現実とは懸け離れた架空の話。夢物語。
(三省堂 大辞林より引用)
 目的としては、
・幼年期の子どもが言葉や文字を学ぶ
・美的感覚、善悪の判断等の情操教育や想像力や価値観を育成する
 ことが挙げられる。

 この作品は明確に童話であり、これ以上ないほどに御伽噺だ。月の珊瑚という作品は、読者に対して『夢物語/架空の話』という形を表し、また、作品中の登場人物に対して、子供への言い伝えとして機能している。
 御伽噺として記述される『過去』。
 成長を示す『現在』。
 二つの要素からなるストーリー。
 月の珊瑚は、作者が『現在』の登場人物に語って聞かせる昔話だ。そして、彼女らが読者に見せる御伽噺なのだ。奈須きのこが描く『過去』の物語は、確かな意味を持って、『現在』のキャラクターたちを成長させていく。あるいは、成長させている。退廃的な世界にあって、僅かであろうとも変化を生み出すそれは、なるほど確かに『夢物語』と呼べるだろう。
 本に点数を付けるべきではない。
 御伽噺。ありとあらゆる作品が、成長という結果をもたらすならば、そこに個別の評価など必要なく、ただ経験として蓄積するだけのものなのだろう。
 そんな思いを抱きながら、圧倒的な感動に呑まれていた。

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2013.05.29


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