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「ロジック・ロック・フェスティバル」のレビュー

銅

ロジック・ロック・フェスティバル

青春の息吹

レビュアー:ジョッキ生 KnightKnight

新本格ミステリってことで推されてるけど、俺はこれを素晴らしい青春小説ってことで推していきたいなー!

最後の流れとか最高だよ、これ!ほんとによかったからすぐにでも語りたいんだけど、その前に主要人物の紹介だけさせてくれー。じゃないとうまく伝えられんのじゃー。

・中村あき=主人公。中学時代、名探偵を名乗っていた。ただし、正体は明かさず、携帯のアドレスに依頼を受け、それを解決するのみ。解決方法も真実を伝えるのではなく、問題が解決するのであれば偽証もありという、一風変わったスタイルであった。

・鋸りり子=ヒロイン。中学時代、名探偵と言われていた。しかし、途中で引退する。正しい意味での名探偵で、その真実に嘘偽りなく、全てを暴き立てる。中村あきは彼女の後釜ということになる。

・葉桜仮名=あきの先輩であり、片思いの相手。そして、最後の事件の犯人である。

この本は言わば、この3人の恋物語なんだ。仮名先輩は振り向いてくれない好きな人を殺し、あきは仮名先輩を守るために偽証をして自ら犯人を語り、そして、りり子はあきを守るために名探偵に復帰して、その真実を暴き立てる。

これがこの本の最後のミステリの真相だ。密室トリックなんかもあって小難しいけど、紐解いてみればこの通り。この恋模様ですよ、どやー。まさに青春でしょう?特にヤバイのが、突如名探偵として復帰したりり子に、あきが理由を聞くシーン。そこでのりり子のセリフですよ。

『私が大切に想う、彼を守るため』

これだー!もうこれでノックアウト。最近の小説ってここら辺を曖昧にして引き伸ばすのが多いじゃないですかー。それをこんなにストレートに言ってしまう。その潔さ、それに完全にやられてしまった。恋が彼女を変えたわけですよ!恥ずかしいなー!でもそれがいいんだ!

この部分だけ何度読み返したか。でもやっぱ何度読んでもいいんだよ!たまんねーな、おい!青春っていいなー、最高だよ!

だから、ミステリ小説ってだけで引いてしまう人がいたらちょっと待って欲しい。そうじゃないんだ!ここには青春が詰まっているんだよ!そう高らかに叫びたい。もちろんミステリの難解さもあるが、それを上回る甘酸っぱい息吹を感じて欲しいんだ。俺はこの本を読んでそう思った。

あぁ、この想い、届くといいなー。

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2014.03.27


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