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読者レビュー

銅

「大日本サムライガール6」

政治 meets アイドル 出会いこそ人生の宝探しだね

レビュアー:オペラに吠えろ。 Lord

 右翼を標榜する女子高生・神楽日毬が政治の頂点に上り詰めるためにアイドルになるさまを描いた「大日本サムライガール」シリーズ最大の魅力は「政治」と「アイドル」という一見、相反する要素が共存しているところだ。

 第6巻はそのミスマッチが最大限に生かされた構成になっている。前半は政策について話し合う「政治」パート、後半は主人公たちの日常生活にスポットを当てた「アイドル」パートになっているのだ。

 このように「政治」と「アイドル」がシームレスにつながっているのを目の当たりにすると、この二つの要素が対極の存在ではないことに気付かされる。「政治」には「アイドル」のノウハウが生かせるし、その逆もまた然りなのだ。

 「政治」と「アイドル」の組み合わせというだけで抵抗のある方もいるだろう。だが世の中には、メロンと生ハムのように、似つかわしくないものを食べ合わせると、お互いを高め合うという例もある。

2014.06.18

さくら
「政治とアイドル」といって結びつけようとすると、組織の策略でアイドルを使って…ってイメージがありますが、日毬ちゃんは政治思想はあるけれどプロパガンダとはまた違う、純粋に人に愛されるアイドルとして存在としているのが面白いなって思いましたわ。
さやわか
どっかで見たようなタイトルだと思ったらTRFの歌詞ですね……。それはともかくですが、姫、作品に対する理解度あるー!というか、そうですね、そういう部分がまさにこのレビューにも書かれているとより読者に深い理解を与えるものになったかもしれないな、とちょっと思いました。政治とアイドルの組み合わせに抵抗を感じる人もいるかもしれないとあえて断るのであれば、この作品においてはなぜ、メロンと生ハムのようにうまく食べ合わせのいいものになっているのか、そこが知りたい。「騙されたと思ってとにかく食べてみな」と言うよりも、「こんな理由で食べ合わせの良さが保証されているから面白く読めるんだよ」という説明があると、読者としてはより作品への興味をそそられることになると思います。というわけで今回は「銅」にいたしましたが、いかがでしょうか?

本文はここまでです。