世界征服/大日本サムライガール/至道流星
至道流星は勝利し続ける。
レビュアー:Thunderbolt侍
あらゆるエンタテインメントには「快感原則」の充足が求められる。
主人公が最終的に勝利することで読者は大きな満足感を得ることができる。そのため、物語終盤直前に主人公らをあえてマイナス状態に落とし、読者にストレスを与えるという手法が定番となった。ここからプラスに引き上げることで、振れ幅を大きくし、快感の度合いを引き上げるというテクニックだ。
だがしかし「世界征服」「大日本サムライガール」の至道流星は、その常道を歩まない。水ノ瀬凛は一度の敗北・挫折も味わうことなく世界征服へと歩を進めるし、神楽日毬、織葉颯斗もそれぞれの大志・野望を最短距離で成し遂げようとしている。一時の敗北すら描かれないし、予期できなかった苦戦も存在しない。敵や障害は瞬く間に駆逐される。まさに「覇道」(「世界征服」オビより)を描く作家なのである。
そしてこの際、従来の“マイナスからプラスに至る振れ幅”を越える圧倒的な勝利を描くのが至道流だ。「倒産寸前の零細企業を救った(やったね!)」では終わらないスケールの大きさこそが至道流星作品の面白さ。そのケタ違いな大勝利にはちょっと唖然とさせられる。まあ、主人公の最終目標が「世界征服」あるいは「日本独裁」なのだからチマチマした成功を描いている場合ではないのだが……。
もちろん、ただの大ボラではない。筆者が得意とする経済・政治というツールを駆使することで「ケタ違いな大勝利」にしっかりとしたリアリティを付与している点も評価したい。水ノ瀬凛が頭脳を、神楽日毬が美貌という武器を最大限駆使したように、本業が経営者であるというバックボーンを活かした説得力のある内容に仕上がっている。
2009年8月にデビューした至道流星が、これまでに上梓した作品の冊数はすでに20冊を越えた。この精力的な活動は彼の描く物語の登場人物たちにも負けていない。圧倒的な勝利を描き続け、積み上げ続ける、至道流星の覇道からも目が離せそうにない。
まずは「大日本サムライガール」の圧倒的大勝利に期待している。
主人公が最終的に勝利することで読者は大きな満足感を得ることができる。そのため、物語終盤直前に主人公らをあえてマイナス状態に落とし、読者にストレスを与えるという手法が定番となった。ここからプラスに引き上げることで、振れ幅を大きくし、快感の度合いを引き上げるというテクニックだ。
だがしかし「世界征服」「大日本サムライガール」の至道流星は、その常道を歩まない。水ノ瀬凛は一度の敗北・挫折も味わうことなく世界征服へと歩を進めるし、神楽日毬、織葉颯斗もそれぞれの大志・野望を最短距離で成し遂げようとしている。一時の敗北すら描かれないし、予期できなかった苦戦も存在しない。敵や障害は瞬く間に駆逐される。まさに「覇道」(「世界征服」オビより)を描く作家なのである。
そしてこの際、従来の“マイナスからプラスに至る振れ幅”を越える圧倒的な勝利を描くのが至道流だ。「倒産寸前の零細企業を救った(やったね!)」では終わらないスケールの大きさこそが至道流星作品の面白さ。そのケタ違いな大勝利にはちょっと唖然とさせられる。まあ、主人公の最終目標が「世界征服」あるいは「日本独裁」なのだからチマチマした成功を描いている場合ではないのだが……。
もちろん、ただの大ボラではない。筆者が得意とする経済・政治というツールを駆使することで「ケタ違いな大勝利」にしっかりとしたリアリティを付与している点も評価したい。水ノ瀬凛が頭脳を、神楽日毬が美貌という武器を最大限駆使したように、本業が経営者であるというバックボーンを活かした説得力のある内容に仕上がっている。
2009年8月にデビューした至道流星が、これまでに上梓した作品の冊数はすでに20冊を越えた。この精力的な活動は彼の描く物語の登場人物たちにも負けていない。圧倒的な勝利を描き続け、積み上げ続ける、至道流星の覇道からも目が離せそうにない。
まずは「大日本サムライガール」の圧倒的大勝利に期待している。