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読者レビュー

銀

大日本サムライガール

芳春に艶花咲く

レビュアー:ラム、ユキムラ

 神楽日鞠は右翼思想の強い、女子高生だ。
 日本を救うために、何とか会という政治活動をしている。
 とはいえ女子高生にできることは少ない。
 そもそも政治家とは、有名であることが大事らしい。
 されど、彼女は未だ16歳。立候補どころか、投票する側にもなっていない。というのに、「日本には自分の成長を待っている時間すらない」と彼女は憂う。
 ならばアイドルになることが独裁者への最短ルートだと、主人公に説得されて。そうして、彼女は手段としてのアイドルを決意するのだ。


 女の子全てそうかもしれないが、アイドルは華であり花だ。
 美人の例えにも、立てば芍薬 坐れば牡丹 歩く姿は百合の花、というのがある。


 芍薬の別名は花の宰相
 牡丹は花の王様と呼ばれる
 百合――特に白百合は、純潔の象徴である


 まさにひまりんのための言葉ではないかっ!
 花の王様とは、すなわちアイドルの頂点。花の宰相とは、アイドルであり政治家。
 ――そして、百合。
 神楽日毬は、常に正しくあろうとしている。其の生き様はもはや、純潔を通り越して高潔だ。研ぎ澄まされた美しさ。朝の空気のような、或いは日本刀のような。 
 その信念から、「日本万歳」と小さくつぶやいてグラビア撮影に向かう姿は、滑稽でありながら可愛いくもある。
 妙齢を救国に捧げたフランスの聖女、ジャンヌ・ダルクの旗印も白百合だった。
 だが、正しさや高潔さというものが報われるとは限らない。
 現にひまりんは公安警察に目をつけられている。
 願わくば――かの聖女のように 手折られること無きように。
 花守の責任は重大だ。

2013.06.11

ゆうき
日毬ちゃんはいつも凛としていて、だけどその一生懸命な姿が時折可愛らしく見えるときもあります。知らず知らずのうちに、周りの人々を癒す力もある。そんな姿がまさに美しく咲く花、そのものですね!
さやわか
アイドルの姿を花にたとえていく部分は美しいと思いますし、うまいと思います。トータルとしてレビューに一定の論理を感じる。こういうレビューを書く人はレビュアー騎士団になかなかいないので、個性も出ていると思いますぞ。わずかに惜しいのは、まさにその、芍薬、牡丹、百合という花になぞらえて日毬を語っていく後半部分が唐突に読みにくくなっているところ。たとえば「宰相」とか「王様」という言葉を出して作品の政治性と関連づけながら、「百合」については急に「純潔」という気心の話にして、政治にたとえるのをやめてしまう。では気心の話を続けるのかと思ったら、救国の徒ジャンヌダルクの旗印という話を持ち出して、また政治性の話に戻してしまう。これは論理としては通っているのに、文章が込み入ってしまっていると言わざるを得ません。一例ですが、たとえばまず「芍薬の別名は花の宰相 牡丹は花の王様と呼ばれる 百合――特に白百合は、妙齢を救国に捧げたフランスの聖女、ジャンヌ・ダルクの旗印だった」と書き、つまり政治にまつわるものをまとめて語ってから、後で「純潔」について語った方が文章としてはスッキリしたのではないでしょうか? ということで、ここでは「銀」とさせていただきました!

本文はここまでです。