ここから本文です。

読者レビュー

銅

大日本サムライガール1

右翼の神楽日鞠さん(女子高生)素直

レビュアー:カクラ・メロンソーダ Adept

今の時代、女子高生で将来政治家を夢見る人は0ではないと思います。
でも「将来」ではなく「今のまま女子高生として政治家になる」ことを考えている
女の子は多分0なんではないでしょうか。

主人公の颯斗に言われるまま、アイドル活動を通して世間へ認知されることが
政治活動に繋がると信じて突き進む日鞠の姿は、例えばインターハイを目指し
ひたすら練習に励む女子高生と何も変わらないです。
水着姿のグラビア撮影に羞恥しながら、力なく空を見上げて言います。
「日本、万歳・・・」と。

ひとつ惜しいのは、クライマックスの日鞠の街頭演説での言葉が、
主人公が概要を説明する形になっているところです。
ここは日鞠のはっきりとした言葉を描くことでこそ、読者の心に響く
とこなので勿体なかったです。

ただ、まるで嵐のように過ぎ去る、マスコミを巻き込んでの
最後の数ページは、2巻をすぐ読まずにはいられなくなる展開です。

2013.06.11

さくら
目的はちょっと変わっているけれど、そのひたむきに努力する姿は美しいです…! 王道のヒロインの正しい姿である日毬ちゃんを応援したくなっちゃいます。
さやわか
書き手が、主人公である日毬に感じた魅力をストレートに書いていて好感が持てますな。「銅」にいたしましょう! では、このレビューを「銀」にする方法はと考えてみると、「ここは日鞠のはっきりとした言葉を描くことでこそ、読者の心に響くとこなので勿体なかったです」というあたりかなと思いました。なぜ「はっきりとした言葉を描くことでこそ、読者の心に響くとこ」と断言できるのか、それを書いていないのがちょっと気になるわけですな。おそらく書き手は「そんなの当たり前だ」と思っているから書かないのだと思いますが、こういう文章を書くときにとりわけ重視したいのは、自分が当たり前だと思っているところほど、注意深く考えたほうが、レビューは説得力の高いものになります。自分が思っているのは誰でも理解できる当たり前のことなのか、ではなぜ作品はそうなっていないのか。そういうことを慎重に書いていくのがオススメですぞ。

本文はここまでです。