久弥直樹さんの名前は、少し特別な名前として、私の記憶にずっと残っていました。
『ONE』『Kanon』で「泣きゲー」という一大ジャンルを築いた立役者の一人である久弥さんは、しかし『Kanon』以降、新作を発表することなく6年間が経過します。私はその間に、美少女ゲームとは疎遠になってしまい、その後の久弥さんの作品は遊んでいませんでしたので、今でも久弥さんの作品といえば『ONE』と『Kanon』というイメージが強いです。私が美少女ゲームに傾倒するきっかけとなった作品でもあります。十年前の作品ですが、今でも思い出深い作品です。
ところで、久弥さんには代表作と言える作品がもう一つあります。上記の2作品に比べると知名度は劣るかもしれませんが、『MOON.』という、『ONE』以前に作られた作品です。この作品もまた、美少女ゲーム史において重要な作品なのですが、『サクラカグラ』の帯には『MOON.』の名前はありません。ただし、カバー見返しの著者略歴には『MOON.』についての記述があります。
最初、不思議に思いましたが、本書を読み終えた今では、帯であえて『ONE』と『Kanon』の2作品を挙げていた意図もわかります。
それは、『サクラカグラ』が『ONE』『Kannon』を想起させるストーリーとなっているからです。
『サクラカグラ』一巻は、本編の章2つと、短い断章の2つで構成されています。本編の章は、それぞれ視点人物を切り替えながら、学園内で誰にも知られずに起こっているとされる、不可思議な事件の謎に迫っていくストーリーです。
最初の本編「コノハナカグラ」で、主人公の少女に明かされる真実は、『ONE』の「永遠の世界」を思い起こさせる設定です。また、2編目の「リンネカグラ」では、夜の後者で「悪」と戦う少女と、それを見守る主人公が描かれるのですが、これは『Kannon』の川澄舞シナリオを踏襲しています。
つまり、明らかに『サクラカグラ』は、久弥さんの代表作2作品を踏まえて書かれています。
読んでいる間、まるで『ONE』『Kannon』の「次の作品」を読んでいるような気分でした。私の中で『Kannon』から止まっていた久弥直樹作品が、再び動き出したような気がしたのです。
『サクラカグラ』はまだ一巻が出たばかりです。今後どう物語が展開していくのかわかりませんが、今からこの物語がどう完結するのか、私は楽しみでなりません。
『ONE』『Kanon』で「泣きゲー」という一大ジャンルを築いた立役者の一人である久弥さんは、しかし『Kanon』以降、新作を発表することなく6年間が経過します。私はその間に、美少女ゲームとは疎遠になってしまい、その後の久弥さんの作品は遊んでいませんでしたので、今でも久弥さんの作品といえば『ONE』と『Kanon』というイメージが強いです。私が美少女ゲームに傾倒するきっかけとなった作品でもあります。十年前の作品ですが、今でも思い出深い作品です。
ところで、久弥さんには代表作と言える作品がもう一つあります。上記の2作品に比べると知名度は劣るかもしれませんが、『MOON.』という、『ONE』以前に作られた作品です。この作品もまた、美少女ゲーム史において重要な作品なのですが、『サクラカグラ』の帯には『MOON.』の名前はありません。ただし、カバー見返しの著者略歴には『MOON.』についての記述があります。
最初、不思議に思いましたが、本書を読み終えた今では、帯であえて『ONE』と『Kanon』の2作品を挙げていた意図もわかります。
それは、『サクラカグラ』が『ONE』『Kannon』を想起させるストーリーとなっているからです。
『サクラカグラ』一巻は、本編の章2つと、短い断章の2つで構成されています。本編の章は、それぞれ視点人物を切り替えながら、学園内で誰にも知られずに起こっているとされる、不可思議な事件の謎に迫っていくストーリーです。
最初の本編「コノハナカグラ」で、主人公の少女に明かされる真実は、『ONE』の「永遠の世界」を思い起こさせる設定です。また、2編目の「リンネカグラ」では、夜の後者で「悪」と戦う少女と、それを見守る主人公が描かれるのですが、これは『Kannon』の川澄舞シナリオを踏襲しています。
つまり、明らかに『サクラカグラ』は、久弥さんの代表作2作品を踏まえて書かれています。
読んでいる間、まるで『ONE』『Kannon』の「次の作品」を読んでいるような気分でした。私の中で『Kannon』から止まっていた久弥直樹作品が、再び動き出したような気がしたのです。
『サクラカグラ』はまだ一巻が出たばかりです。今後どう物語が展開していくのかわかりませんが、今からこの物語がどう完結するのか、私は楽しみでなりません。