主人公の大江朔、初恋の人である川原砂緒、朔のことを兄のように慕う空音の、三角関係が描かれたシリーズ4作目。
あくまで現実的な世界を描きながらもかなり童話っぽく、少女マンガのモノローグのようなおしゃれな比喩が並ぶ文章は読んでいると少し恥ずかしくなる。
しかし慣れてくると、未来を思い描く「夢」と眠って見る「夢」の狭間で揺れていた、思春期のもやもやを不覚にも想起してしまうのだ。
登場人物は各々、何かしらの欠落を抱えており、どうにかしてそれを補い合おうとする姿は、ときに美しく、ときに稚拙に描かれる。
イラストがこの巻から、マテウシュ・ウルバノヴィチ(通称マット)に変わった。彼は元々イラストを担当していた新海誠に憧れて日本にやって来たポーランド人である。新海誠の仕事を引き継げたのだから、彼の「夢」の1つは叶ったと言っていいだろう。
思春期にうっかり書いてしまったポエムを、数年ぶりに引き出しから発見しちゃうような人にうってつけのシリーズ。
あくまで現実的な世界を描きながらもかなり童話っぽく、少女マンガのモノローグのようなおしゃれな比喩が並ぶ文章は読んでいると少し恥ずかしくなる。
しかし慣れてくると、未来を思い描く「夢」と眠って見る「夢」の狭間で揺れていた、思春期のもやもやを不覚にも想起してしまうのだ。
登場人物は各々、何かしらの欠落を抱えており、どうにかしてそれを補い合おうとする姿は、ときに美しく、ときに稚拙に描かれる。
イラストがこの巻から、マテウシュ・ウルバノヴィチ(通称マット)に変わった。彼は元々イラストを担当していた新海誠に憧れて日本にやって来たポーランド人である。新海誠の仕事を引き継げたのだから、彼の「夢」の1つは叶ったと言っていいだろう。
思春期にうっかり書いてしまったポエムを、数年ぶりに引き出しから発見しちゃうような人にうってつけのシリーズ。