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読者レビュー

銅

怪談と踊ろう、そしてあなたは階段で踊る

突き刺さるシャベル

レビュアー:カクラ・メロンソーダ Adept

怪談と名打った本作は、二つのモノが鍵となり、物語を彩る。一つは「骨」もう一つは「田無美代子」という人物。
本作は、田無美代子の謎の飛び降り(怪我で済む)の謎を読み説くことを目的としている。主人公であり高校生の友宏の自問自答、飛び降りを目撃した佐藤理恵の言葉をヒントに謎を読み説く「ゲーム」として読むこともできる。
高校生3人組が賽銭欲しさにでっち上げた「お骨様の鈍い」は、次第に学校内で一人歩きし始め、肥大化し、遂には田無美代子の転落事故が発生する。
「ひぐらしのなく頃に」「うみねこのなく頃に」といった著者の代表作は、残酷な描写と、いつ恐怖が目の前に現れるかわからない展開に、恐怖から逃げるようにあっという間に読み進めざるを得ないテキストだった。
本作は残酷な描写を控え、作者の作品に通じる背後から忍び寄るような恐怖を楽しむことができる物語にまとまっている。
ただし、著者の得意とする「突然現れる恐怖」で読者を驚かす種はしっかり埋まっているので、気軽に読む際は念のため注意してほしい。

2013.07.08

ゆうき
ひゃぁ〜!これから暑い夏に向けてピッタリな1冊ですね…!本だと色々想像が膨らんでしまうので、怪談などのホラー系の作品はテレビや映画よりも文章が怖い桑原なのでした…。
さやわか
500字未満と短いですが、ちゃんと物語の内容を説明しつつ、作者の過去作品などと比較し、魅力として指摘できる点も挙げている。これは見事です。レビューに何を書くべきなのか、ちゃんと理解して、それをしっかりと書いているように思います。ということで「銅」にさせていただきました!文章はところどころ整っていないところがあるのですが、これだけしっかりした内容ならほとんど気になりません。いいのではないでしょうか!

本文はここまでです。