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読者レビュー

銅

おやすみ、ムートン

その決意こそ、否定する。

レビュアー:ラム、ユキムラ

 私は本田さんが嫌いだ。

 願いを叶える代わりに対価を求めるニカを「あまり頼るべきではない」と言っておきながら。ムートンにはニカと会うことすら止めておきながら。
 されど彼はニカに願った。
 ムートンのために。
 その決意ゆえに、ムートンは大切な大切な友人を失った。
 そして、ムートンや私を悲しませた。

 だから、そんな本田さんなんて、だいっきらいだ。

2013.06.11

ゆうき
「本田さんが嫌い」という気持ちの裏側に「ムートンが大好き」という気持ちが見えたような気がして、否定だけどどこかあたたかいような…そんな不思議な文章に感じました。
さやわか
全力で「嫌いだ」と語るスタイルは悪くありません。むしろ個人的には好きな部類です。あえて言葉少なに、要点のみを語っているのも、書き手の思いの強さを感じさせます。ここでは「銅」といたしました。なぜ「銀」ではないかというと、このストレートに感情を伝えるやり方自体が、ひとつの様式美を感じさせるからです。という説明だと、ちょっとわかりにくいでしょうかね……つまり違う言い方をすると、これは「読者に伝わりきらないことを前提に書かれたレビューだ」ということです。そのやり方でしか描けない感情もありますが、そのくらいのテクニックを使えるだけに、そのやり方で描けるものを越えたものを読んでみたいと感じさせます!

本文はここまでです。