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読者レビュー

銅

青春ハンストマンガ

支援求ム!

レビュアー:やぎぽん Novice

本作品は、うら若き女子学生たちが己の身一つで、部活動に必要な設備の建設を訴える、青春をハンガーストライキに捧げた者たちの物語である。制服という学校から一方的に与えられた服装を脱ぎ捨て、各々が持ち寄った紺色のユニフォームに身を包み学校生活を送ることで、日々啓蒙活動を行っているのだ。紺色に染まる彼女たちの存在が、必要とされる施設を作らないくそったれな学校の否定であり、また新しく作ろうとしている部活動の宣伝にもなっている。その深い深い青色は、彼女たちの願いの深さを表徴しているようですらある。しかしそんな本作も、第三十回の連載をもって終了となった。彼女たちのハンストは一定の成果は得られたものの、設備が建設され部活動ができるというところまでこぎつけることはできなかった。非常に、非常に残念ではある。また本作の全回の公開も、この文章が掲載されている頃には終わってしまっている。だがしかし、彼女たちの努力を無駄にしてはならない。本年の七月には、彼女たちのこれまでの活動が収められた書籍が発売予定である。売れ行きがよければ当然、続編ということも考えられる。さすればようやく、彼女たちの活動が実を結び、必要な設備のもとで部活動が行えるはずである。その姿をようやく我々も眼にすることができるのである。なによりも、彼女たちが身を挺して行ってきた活動を無駄にしてはならない。ぜひともたくさんの方々に書籍を手にとっていただき、彼女たちの壮絶な日々を体感するとともに、彼女たちの活動の支援していただきたい。彼女たちの物語はまだ、一学期が終わった程度である。この文章を読んでいる諸君、我々の手で彼女たちに必要な設備を、彼女たちの二学期を実現させようではないか!

2013.06.11

ゆうき
ストライキ…私は勇気がなくて出来ないけれど、それほど現状を打破したいという強い“意志”があるということですよね。私にはそれがなかった。私も青春したかったなぁ…!
さやわか
コメディ作品に対してあえてシリアスそうなレビューを付けることで笑いを誘う試みは成功していると思います。つまり面白い。笑えます。こうした内容は、もちろん作品に対する深い理解があって書けるもので、その点をこのレビューは裏切らないものになっています。「銅」といたしましょう。ちょっと硬い調子のレビューになっている分「なんだか読みにくい」と感じる読者もいるかもしれないですが、それも見越して書いているのだからいいと思います。しかし、「銀」以上を目指すのであれば、何かそこに仕掛けが必要かもしれませんね。作品を知らない読者でも、レビューを読み始めて早い段階で「あ、この書き手は何かふざけようとしているんだ」ということが伝わるといいのかもしれません。言い換えるとこのレビューは少しだけ作品をあらかじめ知っている人のためのものになっているかなと思います。もちろん、そういう人のために書いているのであれば、それはそれで構わないとは思いますぞ!

本文はここまでです。