『ワニ』
ワニ、というよりはゲロ
レビュアー:やぎぽん
タイトルからしてすでにアレな感じで、桑原さんごめんなさい。嘔吐嘔吐言ってごめんなさい。いや!でも!それだけじゃないんですよこの本。
さて本題。本作は、いろいろなものが垂れ流しの物語。主に吐瀉物。同じ著者の前作『夜跳ぶジャンクガール』の続編、というのは読み始めてから気がつきました。アユムくん、首絞め癖の次は嘔吐癖ですか…。
しかし、この嘔吐癖、物語上では結構重要な役割があって。主人公のアユムくんは作中ずっと、頭ではいろいろ考えていても本能とか感情に流されて行動してしまうわけです。頭ではヤらなくちゃと思っても、感情が邪魔をしてヤれない。そんなことが多々。頭でいくら抑えようとしても流れ出てくる感情。象徴としての嘔吐癖。
そんな感情という濁流に流され続けたアユムくんが、最終的にどうなるのか。ワニというよりはゲロ、な物語ではあったけれども、いや、そんな物語だからこそ、最後に濁流の中で抗う彼の姿は、美しく写りました。
さて本題。本作は、いろいろなものが垂れ流しの物語。主に吐瀉物。同じ著者の前作『夜跳ぶジャンクガール』の続編、というのは読み始めてから気がつきました。アユムくん、首絞め癖の次は嘔吐癖ですか…。
しかし、この嘔吐癖、物語上では結構重要な役割があって。主人公のアユムくんは作中ずっと、頭ではいろいろ考えていても本能とか感情に流されて行動してしまうわけです。頭ではヤらなくちゃと思っても、感情が邪魔をしてヤれない。そんなことが多々。頭でいくら抑えようとしても流れ出てくる感情。象徴としての嘔吐癖。
そんな感情という濁流に流され続けたアユムくんが、最終的にどうなるのか。ワニというよりはゲロ、な物語ではあったけれども、いや、そんな物語だからこそ、最後に濁流の中で抗う彼の姿は、美しく写りました。