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読者レビュー

銅

ひぐらしのなく頃に礼 賽殺し編

変えたいこと、変わらないもの

レビュアー:まななみ Novice

もしも過去に戻れてやり直すことができたら。
そんなこと、誰でも思うのではないでしょうか?
けれど実際、過去に戻れたとしても、今も愛しい世界だったら、貴方はどちらをとるのか。
もう一つの世界には既に、「平和」という梨花がずっと求めてきた結果があります。
最初からある仲間の幸せ、
自分の家族が生きている。
なにより、あの惨劇が起こらない。
どれもが梨花にとっての幸福である。
けれど、
もといた世界は
沢山積み重ねてきたものがある。
それは結果だけの世界よりも
過酷で辛いものだったけれど、
大好きな仲間達とのり越えてきた世界。
貴方だったらどちらをとりますか?
本当の幸せはどちらにあるのか。
そんなことを考えさせられる一冊でした。

2013.04.30

さやわか
まななみさんは一貫して「ひぐらしのなく頃に」についての投稿を続けてくださっているのですが、やはりうまさがあると思います。これは事実上の最終話である「賽殺し編」についてのものなので、集大成的な書き方がされていますね。このレビューについて評価するのは、なかなか難しいと思います。なぜならこの文章は、ここまで「ひぐらし」を読んだ人にしかわからない書き方がされているからです。つまり「あの惨劇」と言われても、読んだことのない人には何がなにやら分からない。ただ、何か一定の切なさと感動を感じさせる文章であることはたしかです。だからレビュアー騎士団としては「銅」としたい。理想を言うならば、このフィーリングを残したままで、読んだことのない人にもわかるような書き方になっていればよりよいかもしれません。でも、そんなことをしなくてもこの文章には価値があると思いますぞ。

本文はここまでです。