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読者レビュー

銅

竜騎士07『ひぐらしのなく頃に』

私は、討ち死にさえ乗り越えたジャンキーの未来を読み解きたい。

レビュアー:ラム、ユキムラ

 未来は変えられる。
 ただし、それを知るには、未来を知っていなければならない。
 全く同じ未来がなくとも、結論はいつも同じ。
 古手梨花は必ず死ぬ。
 そしてリセット。
 それでは未来は変わらない。
 古手梨花は必ず死ぬ。

『ひぐらしのなく頃に』の主人公のひとり・古手梨花は未来に恋をしている。愛を注いでいる。
 未だ到達できない未来を求めて、生き抜く為に足掻いて、その数だけ討ち死にし続けている。

 殺されれば殺される程に、強く。
 彼女は未来に手を伸ばす。
 何度も何度も繰り返し続け、絶望さえ味わい尽くしても尚。
 それは、刮目すべき生への渇望。決して諦めてはいけない切なる望み。

 だから私は、変わらぬ日常に飽いてしまっている人にこそ、古手梨花の生き様を読んでもらいたい。確固たる未来を求めて足掻いた一人の戦士の姿こそを。

 その願いが、恋が叶うハッピーエンドの最後まで。

2013.04.16

さやわか
文体に凝っていて、なかなか読ませます。『ひぐらしのなく頃に』という物語への思いも伝わりますね。しかも、ちゃんと物語のポイントがどこなのかも押さえている。ただ、これが未読の読者が読んで理解できる内容かというと、なかなか難しいように思いましたぞ。それはネタバレだからいけないとか、そういう意味ではありません。たとえば最初の三行は、『ひぐらし』という物語がいろんな未来の可能性を追い求めながらいつも同じ結果になる物語だということを知っていれば、すんなり理解できます。しかし、知らない人にとっては、ちょっと何を言っているのかわからないのではないでしょうか?つまりレビューに書かれていることについて、読者が補足して読まねばならない部分が多い。そこはちょっとだけ残念でした。ということで「銅」とさせていただきましょう!

本文はここまでです。