夜跳ぶジャンクガール
ゴミ虫を照らす月
レビュアー:6rin
高校生の少年は姉の死に対する罪悪感から「首絞め衝動」にかられるようになり、幼馴染に首を絞めさせて貰う日々を送る。少年は言う。
「僕は糞のゴミ虫で、一番に死ぬべきは僕だ」
そんなダメ人間の壊れた日常は「連続少女自殺中継事件」に絡んだ悲劇によって、さらに壊される。悲劇が少年の心に重くのしかかるのだ。見渡す限り瓦礫のようなその世界で、少年は宝物を見つける。それは、クラスメイトの墓無美月のことが自分を捨ててでも守りたいほど「好き」という感情だ。
運命は宝物のために命を落とす覚悟を少年に求める。
「本当に自分を捨ててでも守りたい宝物ならば、そのために死んでも構わないだろ?」と。
少年は命を投げ出し、宝物である「好き」が自身の全てであることを傷だらけの身体で証明する。命をかけ貫き通される少年の「好き」が、僕には見るのが辛いほど眩しかった。少年はダメ人間にも輝きが宿りうることをも証明しているのだ。
「僕なんて…」「私なんて…」と劣等感に縛られ、自らが輝くことを諦めている者にとって、少年の輝きは希望となる。その光は、諦めた者たちが囚われた監房に、小さな格子窓から射し込む。
物語は読者に問いかける。
「お前も明るい外に出たくなっただろ?」と。
本書は輝くことを諦めた者たちの夜を照らす、希望の月なのだ!
「僕は糞のゴミ虫で、一番に死ぬべきは僕だ」
そんなダメ人間の壊れた日常は「連続少女自殺中継事件」に絡んだ悲劇によって、さらに壊される。悲劇が少年の心に重くのしかかるのだ。見渡す限り瓦礫のようなその世界で、少年は宝物を見つける。それは、クラスメイトの墓無美月のことが自分を捨ててでも守りたいほど「好き」という感情だ。
運命は宝物のために命を落とす覚悟を少年に求める。
「本当に自分を捨ててでも守りたい宝物ならば、そのために死んでも構わないだろ?」と。
少年は命を投げ出し、宝物である「好き」が自身の全てであることを傷だらけの身体で証明する。命をかけ貫き通される少年の「好き」が、僕には見るのが辛いほど眩しかった。少年はダメ人間にも輝きが宿りうることをも証明しているのだ。
「僕なんて…」「私なんて…」と劣等感に縛られ、自らが輝くことを諦めている者にとって、少年の輝きは希望となる。その光は、諦めた者たちが囚われた監房に、小さな格子窓から射し込む。
物語は読者に問いかける。
「お前も明るい外に出たくなっただろ?」と。
本書は輝くことを諦めた者たちの夜を照らす、希望の月なのだ!