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読者レビュー

銀

色を抜き、故に骨抜き

レビュアー:さの

すぐれた浮世絵師の技術に、一色抜くというものがある。
私は2/「殺人考察(前)」にそれを感じた。

ネットによって、作品を発表するために紙に印刷する必要が、必ずしも必要なくなった時代。
それは、カラーページの作品の発表が比較的容易になったことを意味する。
作品の紙の本に付加価値がつくことをも意味するかもしれない。

2/「殺人考察(前)」において、誰もが思うことが一つあるだろう。

          紅

衝撃的だし、破壊的だし、ある側面においては下品だ。なぜ、下品か。猫騙しと感じるからだ。

しかし、ここで矛盾が生じる。なぜ、竹藪の緑と共に、あの紅を表現しなかったのだろうか。
冒頭のページにある緑にしてもひどく儚げだ。脱色したと言ってもいい。

そう、儚いのだ。儚い物語なのだ。すふぃあ先生、恐るべし。


でもやはり、スーパーの国産牛に、綺麗な緑を見るように。
ガッツリした赤と緑の対比がみたいそこのあなた。


いつまでも二章を振り向かないで。

きっと彼女は、あなたの希望に答えてくれる。

緑と赤の螺旋

三章は、あなたをきっと歓迎してくれる。

2011.09.08

のぞみ
見た目にも、こだわっているのでしょうか!? 見ても楽しめるって大事なことだと思いますわ(´ω`*)
さやわか
改行やレイアウトが凝っていますなー。レビュアー騎士団を開始する時には、こんなレビューが届くとは夢にも思いませんでした……面白いです! こうしたレビューはともすれば内容が抽象的になりがちなのですが、これは伝えたいことも、なかなかはっきりしていますね。うーん、言葉遣いのレベルではちょっと甘いのですが、こうした形式で大きな破綻なく仕上げているので「銀」をお贈りしましょう! ただ、言葉の使い方については、とりわけ書き手がこだわりたい文語的な表現、比喩的な表現には注意を払った方がいいと思います。自分のセンスを発揮できるように、使える言葉に幅を持たせた方がいいと思います。どうすればいいかというと、本を読みまくったり、好きな本を最初から最後まで丸ごと全部書き写したりして、自分好みの表現を大量に自分の中に蓄積していくしかないかな、と思います。そういう作業ってつまらないかもしれないですが、自分の使える言葉は確実に増やせるはずです。

本文はここまでです。