ブレイク君コア
受け入れる、ということ
レビュアー:大和
主人公は恋をする。だがヒロインの肉体では人格の入れ替わりが起きていて、本来とは違う魂が入っていた。主人公は「入れ替わった状態」のヒロインが理想。でもこの小説は主人公の理想を守ろうとはしない。それでいい、と僕は思う。恋をした時、僕らはしばしば、相手がまるで自分の理想そのものであるかのように思ってしまう。そんな時、大抵は願望を投影してるだけで、相手と真っすぐに向き合えていない。都合のいい願望を手放し、ありのままの相手を受け入れる。その大切さを謳うブレイク君コアのエンディングは、とても誠実で美しい。