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読者レビュー

銀

ブレイク君コア

これは爽やかな青春ストーリーではない

レビュアー:akaya Novice

「二人の魂が入れ替わった」なんて使い古された状況で過去にも名作がたくさんある。しかしこれは新たにそれらに並ぶ作品。

始まりはトラックの衝突事故。本当の始まりは少女の殺人事件。偶然と必然とオカルトが綯い交ぜになって生まれたストーリー。

ありがちなテーマなのにどこにもない展開。最後の最後まで、読み終わるまでクライマックスは予想できなかった。ただ「二人の魂が入れ替わった」ことが物語の主軸だと思わされていた。

青春の甘酸っぱさよりも痛みが伴うが、それを覚悟してでも読むべき一冊。

2011.08.04

のぞみ
全体的に、テンポ感があるなぁ~って感じました。
さやわか
体言止めを多用していますからね。短い文字数でやるのには有効な手だったのかもしれませんな。
のぞみ
「ありがちなテーマなのにどこにもない展開。」っていうところに特に惹かれました!
さやわか
そう、「魂の入れ替わり」というのがよくあるパターンだっていうところから初めておいて、しかしこの作品は凡百のものとは違うんだという含みを持たせるだけで読者の気持ちを引こうとしている。これはさじ加減としてはいいところだと思います。しかもそれが書き手自身の感想としてうまく紹介できている。ただ最後の2行はもう少しわかりやすくしてもいいとは思いました。特に「物語の主軸だと思わされていた」のところは何が言いたいのか伝わりにくい。でも全体的には短い中で何を書くべきか計算されたところがあっていいレビューでした。僕はこれに「銀」を贈りたいと思います!

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