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読者レビュー

銀

Fate/Zero

速いの。カッコイイの。

レビュアー:akaya Novice

『Fate/Zero』は戦闘と知略の物語だと思う。どの英霊も圧倒的な強さや知略を見せるし、人知を越えた存在だと感じさせてくれる。でも私が一番好きなのは、戦闘のシーンではない。

それはセイバーがバイクを駆るシーン。1400ccに改造されたYAMAHA・V-MAXを手足の如く操縦するセイバー。それを初めて読んだ時の興奮を今でも覚えている。

速さを追い求めて人間が作り出した、人間には扱えないシロモノ。それを乗りこなすセイバーに、サーヴァントの能力を実感として見た。

今でこそエコだ、低燃費だと電動のクルマやバイクが未来の姿のようだけど、それは寂しい。一瞬に高回転に達するガソリンエンジンだからこそ、速さ、荒々しさを体現できる。

それこそ人間が、技術を、高みを追い求めて得たものだと思う。しかし皮肉なことに作っても、使えなくなるラインがある。道具として用を成さなくなる。

それを乗りこなす姿に、あぁ彼らは人知を超えた存在なんだと腑に落ちた。だからセイバーがバイクを駆るシーンが一番好き。早く映像で観たい。

そういえばセイバーなら、ロケットエンジンを積んでも乗りこなすのかな?気になる。

2011.07.14

さやわか
僕はこのレビュー、何だか好きですなー。軽くて読みやすい筆致ですし。
のぞみ
お茶でも飲みながら、お喋りしてるみたいな、さくっとしたレビューだった気がしますわ!
さやわか
うむうむ。そして、今まで書かれた『Fate/Zero』のレビューとは違う切り口を持っているのです。しかもそれをわりと安定した書き方でものにしている。ちょっと甘いかもしれないけど「銀」としたいです!
のぞみ
作品のどの部分を切り取って話をするかによって、同じ作品のはずなのに、別のもののように感じました。
さやわか
バイクという細かな点に注目しながら、短い文章で作品全体を語るというのはなかなかうまいです。書き慣れている印象はさほどありませんが、こういう書き方があり得るだろうという狙いを感じました。本当にこのバイクに乗ったらどんな目に遭うのかクドクド書いてあるとさらにそれっぽいレビューになりそうかなっと思いました。まあ、別にそんなの無理して書かなくてもよいですが。こういうのがうまく書けるのであれば、レビュアーとしては一つの可能性を持っていると思う。たぶん僕にはそんなにうまく書けないかも。

本文はここまでです。