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読者レビュー

銅

金の瞳と鉄の剣

奇跡を体現する男

レビュアー:大和 Novice

 とりあえず、黙って『金の瞳と鉄の剣』の単行本を手に取ってほしい。
 そして97ページを開いてほしい。


 このキア、やばい。


 かわいい。


 圧倒的にかわいい。


 これはもう今星海社から出ているどの作品のキャラよりかわいいんじゃないか。


 男だけど。


 中性的な美少年だったら女の子に見えてもおかしくない……と言えるかもしれないが、それにしても、この絵は女の子にしか見えない。何から何まで女の子にしか見えないが、決め手は足だ。特に膝からつま先にかけてが危険だ。膝先をちょこんと揃え足先をわずかに横に向けた座り方は、恐らく正座なのだけど女の子座りにしか見えない。ふわりと翻る布切れはスカートのフリルを思わせて意味も無くピラっとめくってみたくなる。全体的なシルエットの細さもあまりに男とは思えない。二の腕も非常に危険だ。ごくわずかな曲線と色遣いの加減による業なのか、ほとんど骨と皮しか無さそうな細さであっても触ってみたら意外と柔らかそうに見える。その弾力を想像しただけで気が狂ってしまいそうだ。

 隣に描かれたタウも筋肉があるにしては細いとはいえ、タウとキアとの差は一目瞭然だ。そもそも表紙も第一回の絵も第二回の絵も(立ち位置や角度の問題かもしれないが)結構身長があるように見えるし、特に第一回の絵は普通に男にしか見えないのだけど、第三回の絵はやたらと女の子っぽくて、そこに僕は奇跡の存在を見ずにはいられない。

 とにかくこの絵は、僕の琴線にひどく触れるのだ。
 見れば見るほど引き寄せられる。
 いつのまにかキアの瞳が金色に輝いていても驚かない。
 この絵は魔法に満ちている。
 なんというか……目覚めてしまいそうである。
 少なくとも僕は断言できる。この出逢いだけで、この本を買った価値はあったのだと。

 最後に、作品本編であまりにもピッタリな一文を見つけたので、引用させていただく。

『初めて胸に滾るものを手に入れたこの夜を、彼は生涯、忘れることはないだろう。』

2011.05.09

のぞみ
何がやばいのか、あつく語ってますね!
さやわか
そうですな、僕も何がやばいのかわかりませんが、とにかく熱いということはわかりました!
のぞみ
キアさんは、確かに、男性らしからぬ、美しさを持ってますよね! 惹かれてしまうのも納得です。
さやわか
まあしかし、前にも書きましたが性的な嗜好の問題は書くのが難しい。このレビューも「”女の子にしか見えないくらいかわいい”のではなく、むしろ男性だからいいのだ!」とクレームをつける人がいるかもしれない。いや、これは冗談ではないのですぞ。フェチというか萌えというか、性的な志向みたいなものは、各人に基準があるにもかかわらず皆それを常識的なものだと考えていることが多いのだ。たとえば「妹と言えばこうでなくてはならない」みたいに。だから、読者が考えている基準からずれたことを書くと違和感を感じられることが多いのです。ではどうするか。「自分は通常こういうのが好きなんだけど、この作品にはこう感じた」みたいな断り書きをいっぱいするといいです。その方が、作品が個人にとってどのような意味を持つのかがきちんと伝わります。いや、冗談ではなくて本当にそうなのですぞ……。というわけで、この愛情に対しては「銅」で!

本文はここまでです。