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読者レビュー

銅

空の境界

作品との距離が近づいて

レビュアー:akaya Novice

この作品と出会って7年にはなる。残念かな友人からの貸与という、余りにも受け身な形だった。その当時は上下巻であり、友人からは上巻を1時間だけ借り受けた。

面白くなかったわけではない。好みすぎた。2時間後には自分の2冊を持っていたのだから。

それからというもの、一番好きな作品は『空の境界』であり、作家は『奈須きのこ』だ。

それから3年、思いつくように読み返していたが、劇場化の報せを知る。武内崇さんの表紙だけではない、動く式が観られる。劇場化に伴って、書庫には文庫本が3冊増えたが、それは些細な出来事。

映像で観る式は、文章から思い描いたとおりの動きを魅せてくれた。思い描いた以上にも。ただ劇場に足を運べたのは2回だけ、最初と最後、俯瞰風景と殺人考察(後)だった。距離的な問題があったのだ。その反動からかDVDが随時注文されることになる。

そして今、天空すふぃあさんの手でコミカライズされている。距離的な障害もなく、更新があればすぐに知り、読める。感想をつぶやけるし、作者さんから返ってきたりもする。

原作、劇場版と大好きな『空の境界』を楽しんできた。これからも“最前線”で、より近いところで楽しんでいく。

2011.05.09

のぞみ
「空の境界」の歴史とともに、akayaさんの歴史とこれからが見えます!
さやわか
これ、僕はけっこう好きなレビューです。『空の境界』という作品に対してずっと愛情を持ち続けていたんだけど、そこには物理的な遠さがあった。僕はそれは心理的な遠さにもつながっていると考えてもいいと思う。つまり、手の届かないところにあった作品を愛する気持ち、憧憬と言い換えてもいいのではないか。しかし、ネットで作品を読めるようになったことで、作品を近くに、「最前線」にあるものと感じることができる。これはなかなかうまいようです。文章の論理を成り立たせるためのタネとして光る物は見つけられている、という感じ。文章的には正直に申し上げて拙いです。しかし、とてもいいものを持っている。ということで「銅」を贈らせてください!

本文はここまでです。