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読者レビュー

銅

星海大戦

物語の開幕に際して

レビュアー:azumaakira

SFだとかスペースオペラだとか、そんなのは言ってしまえばどうだっていいことで、
ましてやライトノベルだとか大衆小説だとか文学だとかなんてラベリングは、本当にどうだっていいことで、
紙の束を、あるいはデータを開いた瞬間から目の前に提示される物語が、私にとってどういうものであるかの方がよっぽど重要です。

開かれた物語の中の彼らがどこまで行けるかは、まだ誰も知らないでしょうが、少なくともそこまでは必死で着いていこうと、そう思います。

叶うのならば、そのさらに遠くまで。

だから今はただ、その開幕を喜びたい。

2011.04.28

のぞみ
“小説”や“本”に対するレビューのように感じました。
さやわか
うむ、そうですね。気持ちは伝わってくるのですが、これが『星海大戦』という作品についてのレビューかどうかと言われると難しいかもしれないです。
のぞみ
でも、続きを楽しみにしているという気持ちが伝わってきました。
さやわか
そうそう、期待感はあるのですよ。たぶん、この方は引いた目線から書くことで作品の本質に迫る、というような姿勢を選ぼうとしたのだと思うのですよ。だから「どうだっていいことで」なんて書いてあるのですね。この作品はジャンルとか高尚か否かとか各々の描写の良さとか、そんなくだらないことをゴチャゴチャ言う必要はないんだ、この小説自体がいいのだ、いいから読もうぜ、ということです。そういう書き方は方向性としてはアリだと思います。ところがですね、そういう書き方というのは至極まっとうなので無敵の書き方なんですが、その代わりあまりにも普遍性が高すぎる、つまり例えばこのレビューが別の作品のためのものであっても、ひょっとするとわからないのですな。たとえこの書き方をするにしても、『星海大戦』じゃなきゃダメなんだ、これこそがすごいのだ! という部分がないと、本質を突いたようでありながら実は作品自体を突いたことにならないというか……。ということで「銅」とします!

本文はここまでです。