サクラコ・アトミカ
原子のサクラコは本の枠をも超えて
レビュアー:zonby
自分が物語の単なる読者でしかないことが、こんなにもどかしいと感じたのは久しぶりの読書だった。
文字の間を天衣無縫に駆け回る量子的美少女サクラコ。そんなサクラコに振り回されながらも少しずつ心の解けてゆくナギ。真剣にかわされるふざけた会話。ささやかな逃避と約束。そして避けられない闘いと結末。
私はただ夢中でページを繰り、物語を見届けることしかできなかった。
だというのに。
物語に干渉できないただの読者でしかない私に、しかしサクラコは干渉してくる。
「祈れ。命に不可能などない」
と。
ずるいぞ、サクラコ。
文字の間を天衣無縫に駆け回る量子的美少女サクラコ。そんなサクラコに振り回されながらも少しずつ心の解けてゆくナギ。真剣にかわされるふざけた会話。ささやかな逃避と約束。そして避けられない闘いと結末。
私はただ夢中でページを繰り、物語を見届けることしかできなかった。
だというのに。
物語に干渉できないただの読者でしかない私に、しかしサクラコは干渉してくる。
「祈れ。命に不可能などない」
と。
ずるいぞ、サクラコ。