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読者レビュー

銅

金の瞳と鉄の剣

狂おしいほどに、理想の相棒

レビュアー:大和 Novice

 タウとキアの関係は、どこか切ない。

 二人は一見して理想の相棒同士だ。
 どんな危険や困難に遭おうと絆は揺らがない。

 だがそれは男同士だったが故の関係だ。強く惹かれ合う二人は、実は男女として結ばれた方が幸せだったのではないか?

 そんなもどかしさを高河ゆんの絵は鋭く捉える。高河ゆんの絵は二人の関係にBL的な視点――つまり恋愛を予感させてしまう。それは立ち上がると同時に、成立しないことを理解させるものだ。

 文と絵の狭間に生じる狂おしい感情。それに囚われた時、あなたは二人の行く末から目が離せなくなる。

2011.04.28

のぞみ
お話のことだけではなくて、絵のことにも触れていて、良いと思いました。
さやわか
そうですな! 作品を成り立たせているのが文章だけでなくイラストでもあるということをきちんと扱おうとしていると思いますぞ。BL的なテーマについて言及するのはもちろん難しくて、「男女の関係だった方が幸せだったのだろうか?」とか「二人の関係は恋愛としては成立しない」みたいな言い方は、大和さん自身の個人的な認識に負うものが大きいと思います。なので「銅」なのですが、しかし個人的な認識の範囲内では内容的にもタウとキアの物語を読んだ時に沸いてくる複雑な切なさがよく表現されていると思いますぞ。

本文はここまでです。