「サクラコの美しさが世界を滅ぼす」
絶対的重厚感を持って3.11の約一ヶ月後に世へ投げかけられた怪物のような作品。
星海社FICTIONSの第一弾にして『とある飛空士への追憶』で一躍有名作家となった犬村小六の、衝撃的問題作だ。
構成や設定、人物の作り込みは相変わらずの徹底ぶりで、一作にかけるべき力の入れようではない。
これはもう「主人公の可愛さが」とか「二人の初々しさが」とかそういうレベルで語れる物語ではなかった。
終盤のスケール感はもはや映画だってなかなか出せない壮大さがあり、『文章によるエンターテインメント』の臨界点に迫ったと思う。
ハッキリ言って、『とある飛空士への追憶』を完全に超えている。
もちろんあの過去の作品があるから今の犬村小六がいるのであって、あの成功があるからこの物語が書けたのだろう。
なんにしても、作者の圧倒的天才に身震いすら覚える。
物語の全てが救われる最後の一文は、読者全員がしばらくは忘れないであろう名文だ。
ここまで考えうる限りの言葉で絶賛したが、別に、やっていることは単純なのだ。
「原子の矢」とか「生物兵器」とか、いろいろ理屈はあるのだけれど、難しい話じゃない。
けっきょくのところ、問題はシンプルだ。
少女が少年に恋をして、少年が少女を救いにいく。
この本は、そんな読んだ誰もが幸せになれる物語だ。
絶対的重厚感を持って3.11の約一ヶ月後に世へ投げかけられた怪物のような作品。
星海社FICTIONSの第一弾にして『とある飛空士への追憶』で一躍有名作家となった犬村小六の、衝撃的問題作だ。
構成や設定、人物の作り込みは相変わらずの徹底ぶりで、一作にかけるべき力の入れようではない。
これはもう「主人公の可愛さが」とか「二人の初々しさが」とかそういうレベルで語れる物語ではなかった。
終盤のスケール感はもはや映画だってなかなか出せない壮大さがあり、『文章によるエンターテインメント』の臨界点に迫ったと思う。
ハッキリ言って、『とある飛空士への追憶』を完全に超えている。
もちろんあの過去の作品があるから今の犬村小六がいるのであって、あの成功があるからこの物語が書けたのだろう。
なんにしても、作者の圧倒的天才に身震いすら覚える。
物語の全てが救われる最後の一文は、読者全員がしばらくは忘れないであろう名文だ。
ここまで考えうる限りの言葉で絶賛したが、別に、やっていることは単純なのだ。
「原子の矢」とか「生物兵器」とか、いろいろ理屈はあるのだけれど、難しい話じゃない。
けっきょくのところ、問題はシンプルだ。
少女が少年に恋をして、少年が少女を救いにいく。
この本は、そんな読んだ誰もが幸せになれる物語だ。