webを放浪して見つけた小説作品。
そんな中みつけたの小説。
「うおっ、あのうろぶっちーだよ!」
なんと虚淵玄大先生。
なぬ、王道ファンタジーだと?
とか思いながらページを開き、
「わーきれーなイラストだなー」
とぼやきながら読み始める。
読了後の一言。
「この作品、王道か?」
ところどころ妙にリアルなのだ。
ファンタジーにリアルもクソもないと思うことなかれ、冒頭から主人公二人が何の話をしているのかと言えば、先の仕事で得た給金の話である。要は明日の食いぶち、今週の生活の話をしているのだ。夢なんかあったもんじゃない。
そして驚くことなかれ、二人組の片方、戦士のタウはこれから行うひと稼ぎのために、なんと自分の剣と鎧を質に入れてしまう。
王道の「剣と魔法のファンタジー」が文字通り片手落ちだ。代わりに持ちたるは槍(お手製)とボウガンだ。はっきり言って地味だ。主人公の武器じゃない。
そして極めつけが竜退治の場面。一稼ぎにと赴き、竜と対峙、戦闘開始。
ピンチ!もうだめだ!
となった次の場面。もう戦いは終わっている。語り手のダウが気絶している間に、合い方キアが龍をやっつけてくれてる。
「え?」
となる。タウといっしょに。
そこ飛ばしちゃうの作者さん?となる。
剣と魔法で主人公がドカンバコンの大活躍!…とならない“王道”ファンタジー、
「金の瞳と鉄の剣」
王道だろうとなかろうと、やっぱりうまい虚淵先生の作品だ。きっとこれからも我々凡人の予想を裏切ってくれるだろう。
今なら高川ゆん先生のイラストがついて、星海社HP『最前線』にて絶賛公開中!
金の瞳と鉄の剣
“王道ファンタジー”という紹介まで伏線?
レビュアー:JET