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レビュアー「なきねこ」のレビュー

銅

ブレイク君コア

この小説を読んで思い出したブレイクコア楽曲レビュー

レビュアー:なきねこ Novice

 飯田いくみはこう独白した。「私はブレイクコアが好きだ」。僕はこの小説を読み終え、また初めから読み返していた。そして、この独白を再度目にしたとき、腑に落ちたのだ。そうだ! この小説は、ブレイクコアだ!
 というわけで、僕が選ぶ「この小説を読んで思い出したブレイクコア楽曲レビュー」を敢行しよう!


「Bakkenversper」 by. Robag Wruhme
http://www.youtube.com/watch?v=D0WURrablZg
 青臭くロマンチックなストリングスから始まるこの曲。でも、ただのおとなしい曲だと思って甘く見てはいけない。ロマンスが最高潮に満ちたところから一気に始まる暴力的で激しいビート。しかしそれは、ただ凶暴なだけではない。その根底には、やはり青臭く、しかし切実なストリングスが流れ続ける。
 確かにこのビートには、論理は感じられないかもしれない。整合的なリズムは感じられないかもしれない。しかし、自らの快楽にどこまでも正直な、誰にも流されず自分の感情を愛した人間が紡ぐ切実な音がそこにはある。


「Banal Universe」 by. DEV/NULL
http://www.youtube.com/watch?v=AX_cduH-CwE
 めくるめく変わる曲展開。ほんの3秒前まで殴打殴打殴打だけの単純展開だったはず。でも今は、独特の美しさがある不協和音が鳴り響いている。これはいったい何の楽器だ。わからない。わからないけれど、なんとなく美しい。そんなときでも相変わらず殴打のビートは続く。そんな曲だ。
 かと思いきや、突然止まる殴打。そこで鳴り響く美しいシンセストリングス。とんでもない落差。その美しさに浸るまもなく、また始まる殴打殴打殴打。情緒不安定に変わる曲展開。
 そして殴打のまま曲は突然終わる。呆気にとられる。美しさに浸ることができなかった? いや、それは違う。だって、シンセストリングスのような美しさだけが、美しさの形ではないだろう。殴打と不協和音、そして情緒不安定な曲展開。これらがこの曲の魅力であり美しさだ。

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2011.12.20


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