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レビュアー「傍屋きつね」のレビュー

銅

エレGY

こんなに長い一日

レビュアー:傍屋きつね

まず、断りを入れておくと。僕は今宮城県仙台市在住の、大学生兼アマチュアモノカキもどきである。

仙台市在住、といっても中心街まで徒歩二時間前後。地震の影響で電車も微妙、近場のツ〇ヤの品ぞろいも微妙。先日講談社BOXから発売された花物語も山形在住の友人に頼んで手に入れてもらった。戯言カードケースは郵便屋さんがチャリンコで届けてくれたのだが、星猫ストラップは音沙汰ない(そこ、外れたなんて言わない。僕の中では未だに、発送が遅れているという事になっているのだから)・・・兎に角、書籍やCDやゲームなどは、普段なら駅前に乱立する本屋やアニメショップに行けばすぐなのだけれど、まあ現状だけにそうはいかないのである。


さて、例の地震が来て、電力が復旧した後、僕の娯楽はもっぱらインターネットと自分の創作活動だったわけで。とくに最前線のサクラコアトミカ毎日更新とかは本当にありがたかったのだが。

で、エレGYである。

四月七日の夜。チャプター1―1を読んだ瞬間、「いやんホントこれ早く続き読みたい!明日、竹さんのUST見る前に、大変だけど自転車使って仙台行ってこよう買ってこようおまけに髪も切ってこよう」だなんて、言っていたのだが―――いやだってさ、こんな挑戦的な書き出しの作品を文庫になるまで読んでなかったなんてはずかしくて仕方がなかったんだもの。そりゃあ、タイトルも、泉先生のお名前も知ってはいたけれど、BOX当時は高校生で、お金もあんまりなくて、マークしていた作品を買うので精いっぱいだったんだもの。あとhukeさんのイラストも素敵過ぎ。チャプター1―1の段階では、この女子は誰状態なのだけれど、愛「らしい」。hukeさん「らしく」、この作品「らしく」、愛「らしい」。とにかく、さわりだけでこんなにとがっているのだから、続きはいったいどうなってるんだろう?・・・とワクワクしていた頃が、自分にもありました―――えー、ご存じの通り。宮城沖を震源とした余震様によって、宮城県内数十万世帯が停電となりまして・・・


え、これちょっといつまで続くの?
明日USTだよ・・エレGY見れない?
買いに・・・行きたいけど隣町水道管破裂して道が使えない?

・・・おいおい。待ってくれよ。


で、四月九日現在。
こうして電力が回復し、なによりもまず最前線をチェックしているわけなんです
。・・・USTはみれなかったけど。エレGYはみれたもの。白いパンツだって見れたもの・・・。


未だ、交通が安定せず買いものに出れない今、もう・・僕の楽しみはエレGYしかない。こうなりゃ毎日更新、とことん付き合わせて頂きますよ!


と、いうわけで。
被災地の娯楽としても愛用されている、泉和良先生のデビュ―作にして希代の傑作(の予感。多分間違いない。)「エレGY」、絶賛連載中&文庫版発売中で御座います。宜しくね。

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2011.05.09


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