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レビュアー「アカギン」のレビュー

銅

Fate/Zero

ゼロの罠

レビュアー:アカギン

Fateシリーズに触れたことが、「Fate/stay night」のアニメと星海社文庫版の「Fate/Zero」しかない。初めから本編をプレイしたことがある人とそもそも情報量が違うのだ。そんな私が「Fate/Zero」を初めから最後まで読んだ後にふと感じた。
この小説はどこか物足りないのだ。

「Fate/Zero」は面白い。
これは間違いない。
己の欲に駆られた7人のマスターが英霊や悪霊などのサーヴァントを使役する。それぞれが抱える戦う理由、聖杯への思いや願い。全てが入り混じり、混沌としている戦場に立つ一人の凛々しい騎士王の少女は美しくて格好良い。彼女だけではない、豪快で強固な強さを誇った征服王、絶対的王である英雄王。
そんな彼らが対峙する。
これほど魅力的な作品はそうないだろう。
これほど魅力的な作品なのにもか関わらず、何故物足りなさを感じるのか。

それはおそらく「Fate/Zero」が文字通りFateシリーズのゼロ、始まりだからだろう。アニメだけでは補完できない、本編をやらなければ、ゼロを本当の意味で楽しむことができない。
これは憎い、悔しい。これでは本編、「Fate/stay night」で一体どんな戦いが繰り広げられるのか、気になるではないか。逆も然り。本編をやったことのある人がこのゼロを知らずにはいられない。

この「物足りなさ」を感じるということは、虚淵玄氏の罠にまんまとかかったということだ。それだけで、この作品は成功したと言えるだろう。そして、まんまとひっかかった僕は「Fate/stay night」を知りたくなった。

星海社は次に「ダンガンロンパ/ゼロ」という前日譚を世に送り出す。私はまだ「ダンガンロンパ」を体験版でしか味わったことがない。
そのゼロで満足させるのではなく、本編へと読者を導く「物足りなさ」を味わえたらいいなと私はひそかに期待している。

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2011.09.08

銀

サクラコ・アトミカ

3年ぶりの再会

レビュアー:アカギン

犬村小六の作品に初めて触れたのは、3年前に彼のデビュー作をたまたま本屋で見かけたときである。
それから3年間デビュー作以来触れてなかった彼の作品に再び触れたのは、最近ネットでよく見かける星海社から本を出すことを知ったからだ。
「サクラコの美しさが世界を滅ぼす」
このキャッチコピーでもある一文から、どんな作品か全然見えてこない。
そこに強く惹かれてしまった。
3年前とはテイストが違うSF作品。
だけれど、主人公とヒロインの恋の物語は相も変わらず美しい。
ぜひ、読んでほしい!
犬村小六、そして星海社の最前線を!

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2011.04.28


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