「アニメを仕事に!」
14年に2、3時間で触れる
レビュアー:オペラに吠えろ。
本書は、アニメの表舞台には出てこない仕事--「制作進行」にスポットを当てた一冊である。「制作進行」とは、その名が示す通りに「『制作』を『進行』させる役回り」である。といっても、実際に制作進行がアニメの具体的な作業(例えば、絵を描いたり)をするわけではない。そういった作業のための環境を整える。それが制作進行の仕事だ。
著者は「リトルウィッチアカデミア」「キルラキル」といったTVアニメを手がけた制作会社トリガーで実際に制作進行~プロデューサーとして活躍している桝本和也氏である。具体的な例として上記2作品の資料が出されるため、読者は“本物の資料”を前に制作進行の仕事を目の当たりすることができる。
制作進行の最大の特徴は、アニメの制作過程全てに関わることができることだ。その視点を通して、読者は“集団作業としてのアニメ”の成り立ちに触れることができる。制作進行は(言ってしまえば)裏方であり、だからこそ、そこには業界ならではの裏話があふれている。そういう意味で、これは、今までありそうでなかったアプローチだと思う。
また、著者の桝本氏は「制作進行」の仕事を「実務」と「暗黙の実務」に分けてみせる。これは簡単に言うと、前者が「教科書の通りのこと」、後者が「著者が経験から学んだこと」だ。桝本氏は14年にわたってアニメ業界に身を置いているということだから、読者はこの本を読むだけで14年分の経験を知ることができるというわけだ。
本書のページ数はせいぜいが200ちょっと。2~3時間で十分に読みきれる分量だろう。それだけの時間で、14年分の経験を全て……というのは言い過ぎにしても、それだけの一端に触れることができるのは、アニメ業界を目指す人にとってはプラス以外の何ものでもないだろう。
著者は「リトルウィッチアカデミア」「キルラキル」といったTVアニメを手がけた制作会社トリガーで実際に制作進行~プロデューサーとして活躍している桝本和也氏である。具体的な例として上記2作品の資料が出されるため、読者は“本物の資料”を前に制作進行の仕事を目の当たりすることができる。
制作進行の最大の特徴は、アニメの制作過程全てに関わることができることだ。その視点を通して、読者は“集団作業としてのアニメ”の成り立ちに触れることができる。制作進行は(言ってしまえば)裏方であり、だからこそ、そこには業界ならではの裏話があふれている。そういう意味で、これは、今までありそうでなかったアプローチだと思う。
また、著者の桝本氏は「制作進行」の仕事を「実務」と「暗黙の実務」に分けてみせる。これは簡単に言うと、前者が「教科書の通りのこと」、後者が「著者が経験から学んだこと」だ。桝本氏は14年にわたってアニメ業界に身を置いているということだから、読者はこの本を読むだけで14年分の経験を知ることができるというわけだ。
本書のページ数はせいぜいが200ちょっと。2~3時間で十分に読みきれる分量だろう。それだけの時間で、14年分の経験を全て……というのは言い過ぎにしても、それだけの一端に触れることができるのは、アニメ業界を目指す人にとってはプラス以外の何ものでもないだろう。