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読者レビュー

銅

小太刀右京『レッドドラゴン ワールドガイド』

レッドドラゴン観光ガイド

レビュアー:USB農民 Adept

 旅行に行く際、観光ガイドを一冊携帯していくと、旅先の土地にある歴史や風土を知る手掛かりとなる。旅先の土地について知ることは、その旅の密度を濃くしてくれる。
 本書もまた、『レッドドラゴン』という旅の物語をより楽しくしてくれる観光ガイドだ。

『レッドドラゴン』は旅の物語でもある。出自や思惑を異にする五人が、竜退治という目的の為にニル・カムイの土地を渡り歩く。様々な風土が本編には描かれているが、本筋の物語と関わらないところについては、当然ながら詳細に描写されているわけではない。
 本書は、そういった部分へのフォローとも言える。
 キャラクターたちが立ち寄った場所にある、歴史や風土が詳細に語られている様は、さながら作品世界の観光ガイドのようである。作中で登場しなかった風景や人々についても、イラスト付きで解説されている。(食事についてのコラムまである!)

 しまどりるさんの秀麗なカラーイラストで彩られた風土と、『レッドドラゴン』作中の革命家の言葉で語られていく土地の歴史は、読者に対してこの世界の存在感をありありと伝えてくれている。
 本書を読んだ後で、是非もう一度、本編を読み返してみて欲しい。
 二度目の旅は、一度目よりも濃い体験となっているはずだから。

2014.03.27

さくら
解説本って既にその本の本編を読んでいる人に向けてのものだって思いがちですけれど、「観光ガイド」という見かたをすることによって、読んだことがなくても楽しめる!とてもいいアイデアだなと思いましたわ♪
さやわか
レビューとしては、短いながらも的確な内容となっておりますな。姫の言うようにワールドガイドという副読本的なアイテムを観光ガイドに見立てるというアイデアのプレゼンテーションもうまくいっている。ただ、本編読者に一読を勧めるという形で書かれているので、本編未読の人にまで影響を与えられないのはちょっと残念かもしれませんな。旅行ガイドなのであれば、たとえば「その国に行ってみたくなる、つまり本編を読みたくさせるようなものです」という落とし方のほうがより自然かもしれません。いかがでしょうか?今回は「銅」とさせていただきましたぞ!

本文はここまでです。