百合のリアル
ひとり、ひとり
レビュアー:ヴィリジアン・ヴィガン
タイトルから、百合について、つまりレズビアンについて書いてあるのかと思っていたらいい方向に違っていた。
レズビアンというのは本書の取っ掛りにすぎなくて、恋愛に悩む全ての人に対して書かれている。
感心するのは、内容のポップさとライトさだ。
マンガや、絵を効果的に使い「恋愛セミナー」の様子が描かれ、重く深い性の話題に連れていかれる。
性や恋愛について悩む若い人でも読みやすいようにという配慮だろう。
同性にしかときめかない自分はおかしいんじゃないか? という疑問を抱いて育った子供の頃の著者・牧村さんの気持ちが反映されている。
繰り返し指摘されるのは、人間は1人1人違うということ。1人1人顔が違うように、好きになる人も好いてくる人も違えば、恋愛に対する考え方も違う。
本書の登場人物であるサユキは、体は男性だが心は女性で、女性が好きという、なぞっただけで混乱してしまうような人だが、そういった「自分が自然だと思える姿」にたどり着くまでに大変な苦労があったことはちょっと考えれば分かる。
「ホモセクシュアル」とか「レズビアン」だとか何かと分けてレッテルを貼り付けられてしまいがちではあるが、1人1人は驚くほどのグラデーションに彩られている。
軽く読みやすい内容でありながら、恋愛だけではなく、自分にとっての幸せとは? 理想の日常とは? そんなことをじっくり考えてしまう一冊だった。
レズビアンというのは本書の取っ掛りにすぎなくて、恋愛に悩む全ての人に対して書かれている。
感心するのは、内容のポップさとライトさだ。
マンガや、絵を効果的に使い「恋愛セミナー」の様子が描かれ、重く深い性の話題に連れていかれる。
性や恋愛について悩む若い人でも読みやすいようにという配慮だろう。
同性にしかときめかない自分はおかしいんじゃないか? という疑問を抱いて育った子供の頃の著者・牧村さんの気持ちが反映されている。
繰り返し指摘されるのは、人間は1人1人違うということ。1人1人顔が違うように、好きになる人も好いてくる人も違えば、恋愛に対する考え方も違う。
本書の登場人物であるサユキは、体は男性だが心は女性で、女性が好きという、なぞっただけで混乱してしまうような人だが、そういった「自分が自然だと思える姿」にたどり着くまでに大変な苦労があったことはちょっと考えれば分かる。
「ホモセクシュアル」とか「レズビアン」だとか何かと分けてレッテルを貼り付けられてしまいがちではあるが、1人1人は驚くほどのグラデーションに彩られている。
軽く読みやすい内容でありながら、恋愛だけではなく、自分にとっての幸せとは? 理想の日常とは? そんなことをじっくり考えてしまう一冊だった。