spica
私が「spica」を好きな理由
レビュアー:ラム
『spica』は、終わった後も続く恋の話だ。
恋人に浮気されて別れても、呼び出されたら嬉しくて応じてしまう。好きだから。
もう彼女でもなんでもないのに、恋人同士だった時とおなじような日々が続く。でも、同じでなんかない。キスもできない。もう、恋人じゃないんだから。
浮気をされて別れても嫌いになれない、主人公・水井くんが言うところの「未練が爆発した状態」での苦しい恋心。読んでいるだけで私も苦しくなる。
水井くんには親友がいる。
ヨリを戻した次の日にまた浮気相手と会っていた彼女に絶望して、水井くんは無意識に千野くんに電話をかける。
「死のうと思うんだ」
言うつもりのなかった言葉を全部吐き出して最後にさようならと言うと、千野くんは「待って」と叫んだ。
その声はとても大きくて、鋭くて、水井くんは電話を切るのを留まる。
千野くんは仕事場にいて、大きな声は目立っただろうに、抜け出すのも大変だろうになりふりかまわない。
命がかかっているのだから当然だろうか。でも自分には同じことができる気がしないのだ。
浮気されても好きでい続けるなんて、死にたくなるほど好きだなんて、そんな気持ちも、好きでいるのが苦しくても、姿を見るだけで心に光が灯るなんて、あまり実感はないのだけど。
『spica』には恋だけでない愛の感情が詰まっていて、私の中にない気持ちも想起させてくれる。
『spica』の「好き」を読んでいると、こんなに真摯な「愛」があるんだって、とても幸せになれるんだ。
恋人に浮気されて別れても、呼び出されたら嬉しくて応じてしまう。好きだから。
もう彼女でもなんでもないのに、恋人同士だった時とおなじような日々が続く。でも、同じでなんかない。キスもできない。もう、恋人じゃないんだから。
浮気をされて別れても嫌いになれない、主人公・水井くんが言うところの「未練が爆発した状態」での苦しい恋心。読んでいるだけで私も苦しくなる。
水井くんには親友がいる。
ヨリを戻した次の日にまた浮気相手と会っていた彼女に絶望して、水井くんは無意識に千野くんに電話をかける。
「死のうと思うんだ」
言うつもりのなかった言葉を全部吐き出して最後にさようならと言うと、千野くんは「待って」と叫んだ。
その声はとても大きくて、鋭くて、水井くんは電話を切るのを留まる。
千野くんは仕事場にいて、大きな声は目立っただろうに、抜け出すのも大変だろうになりふりかまわない。
命がかかっているのだから当然だろうか。でも自分には同じことができる気がしないのだ。
浮気されても好きでい続けるなんて、死にたくなるほど好きだなんて、そんな気持ちも、好きでいるのが苦しくても、姿を見るだけで心に光が灯るなんて、あまり実感はないのだけど。
『spica』には恋だけでない愛の感情が詰まっていて、私の中にない気持ちも想起させてくれる。
『spica』の「好き」を読んでいると、こんなに真摯な「愛」があるんだって、とても幸せになれるんだ。