2013年のゲーム・キッズ
人類は、進化しているのか、退化しているのか。
レビュアー:飛龍とまと
2013年のゲーム・キッズは言わずもがなショートショート作品だ。もちろんのこと毎回主人公も舞台も異なる。しかしもしかしたら『実際にあり得た』かもしれない、もしくは『近い将来存在する』かもしれないような舞台設定が、世界観が綴られている。ははは、あり得ないよこんなの、と軽く笑い飛ばせない。現実からかけ離れていそうでしかし妙なリアリティを保った物語集なのだ。一編一編が短いため読むのに時間が掛からない、そんなお手軽さもお勧め。私の場合そのお手軽さが悪い方向に作用し、「一編短いしまあそんな時間掛からないからまとめ読みしちゃおうっと」などと考え時間を忘れて画面に張り付いていることが多いのだが。
クローン人間、SNS、DNAバンク、アンドロイド、不老不死、IPS細胞、3Dデータ、未来、調査、電脳……
SFモノが好きな人間にはたまらない用語が、物語中のあちこちに散りばめられている。それらの働きにより、大きな世界から切り取られた一部分のショートストーリーは結末を迎える。その結末が幸せなモノか、不幸せなモノか、はたまたどちらとも言えないモノか。何にせよゲーム・キッズの大部分は技術の革命もしくは進化の延長線上に起こるちょっとした、はたまたどうしようもないような出来事に占められているのだが、ここでも奇妙なリアリティを抱いてしまうのだ。
考えすぎかも知れないが、物語に視線を滑らせる度、かつて過ぎ去った時代に比べ随分と充実してしまった、私たちを取り囲む環境を連想する。それらの行き着く先を暗示しているようにも思えて一種の恐怖すら覚えてしまうのは――はて、私だけだろうか?
クローン人間、SNS、DNAバンク、アンドロイド、不老不死、IPS細胞、3Dデータ、未来、調査、電脳……
SFモノが好きな人間にはたまらない用語が、物語中のあちこちに散りばめられている。それらの働きにより、大きな世界から切り取られた一部分のショートストーリーは結末を迎える。その結末が幸せなモノか、不幸せなモノか、はたまたどちらとも言えないモノか。何にせよゲーム・キッズの大部分は技術の革命もしくは進化の延長線上に起こるちょっとした、はたまたどうしようもないような出来事に占められているのだが、ここでも奇妙なリアリティを抱いてしまうのだ。
考えすぎかも知れないが、物語に視線を滑らせる度、かつて過ぎ去った時代に比べ随分と充実してしまった、私たちを取り囲む環境を連想する。それらの行き着く先を暗示しているようにも思えて一種の恐怖すら覚えてしまうのは――はて、私だけだろうか?