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読者レビュー

銀

投資家が「お金」よりも大切にしていること

応援する道具

レビュアー:ヴィリジアン・ヴィガン Warrior

 「投資家」というと全く良いイメージがなかったが、この本はそれをひっくり返してくれた。
 最初のページを開いただけでタイトルとは全然違う印象を持った。
 福沢諭吉を背景に「私はお金が大好きです」と言い切る。
 どうでもいいけど、紙幣の肖像はもっと可愛い女性とかにならないんですかね。それだけでテンション上がるのになあ。
 この本は、「お金」「経済」「仕事」「会社」の順に、著者がわかり易く教えてくれる。どれについてもあんまり深く考えてなかったなあと思い知らされた。
 「お金とは、あくまで無色透明な概念にすぎない。ただの数字なのです」
と言われても最初はピンとこなかったが、
 「お金は目的を果たすための手段にすぎない」
と続くと少し分かってくる。あくまで何かをするための「道具」でしかないと言われればその通りだ。お金でジュースを買って飲むことはできても、お金を飲むことはできないし、できても喉の渇きは癒せない。たぶんめっちゃ痛い。
 最後に総括として「投資」に触れるのだが、消費者としての自分もまたある意味では「投資家」だと分かってくる。
 「良いイメージのなかった投資家」=「消費者」=「えっ?自分も?」
 ひっくり返された。
 お金を払うというということは「投票」であり「応援」でもある。
 アマゾンで本を買うってことは、地元の本屋はつぶれていいという自分の意志の表明でもあるということだ。
 著者は買い物や外食したとき店員に「ありがとう」や「ごちそうさま」を欠かさないという。そういう言葉が仕事をしている人たちのモチベーションを少なからず高める効果があると信じているからだ。
 外食したときは自分も「ごちそうさま」は言うけれど、何か買ったりして「ありがとう」は言ってないなあと思う。今後、言ってみるかなぁ。
 この本で学んだことを実践するために、ラーメンを食べに行こうと思う。チェーン店じゃなくて、地元の小汚い店なんだけど味は良いので「応援」したいからだ。若い店長はともかく、注文聞きに来るおばあちゃんの耳が遠くていつも不安になるんだけど……。
 
 あー。今日、早めに店閉めたかぁ。

 さて、私のレビューにあなた様の貴重な時間を「投資」して読んでいただきありがとうございます。「投資」に見合う価値がありましたでしょうか? もし、ありましたらその場で「ありがとう」と言っていただければそれだけで十分でございます。

2013.07.08

ゆうき
私達消費者は、実は投資家だったのですね。“どこで”買うか。あまり意識していなかったなぁ…。私の投資家に対するイメージも大きく変わりました。この場で早速「ありがとう」です!
さやわか
文章力がかなりしっかりしていて、読ませるレビューだと思います。本の魅力も伝わりやすい。もともと意外性のある本だからなのか、書き手が内容に引き込まれたという部分を読者にもインパクトを与えつつ読ませるものになっている。ただ若干ですが冗長な部分が見受けられたように思います。特にラーメン屋のくだり以降は、これじたいは味のある文章なのですがレビュー全体との関連がとらえにくい。そういう意味では「論理性」にとってちょっと障害なのですが、今回のところはひとまず「銀」としております!

本文はここまでです。