壜詰病院
詰め切れなかったあの空気
レビュアー:ticheese
壜詰病院はまず星海社ラジオ騎士団の1コーナーとして配信された。番組初めてのゲスト佐藤友哉が書き下ろし、パーソナリティーの古木のぞみが朗読する。番組自体がにぎやかで、和気あいあいとした空気で進む中、死の臭いに満ちた壜詰病院は一種の重石の役割を果たしていた。それまで同じくパーソナリティーである平林緑萌とさやわかに、散々にツッコミを入れられトークの拙さを弄られる古木のぞみが、朗読が流れ終わると声で演じる技能を持った一人の仕事人として扱われる。ぐずついた空気は一新し、古木のぞみも声優の面目躍如で勢いを取り戻す。
私はこの朗読終わりの空気が好きだった。パーソナリティー三人が溜めていた息を吐き出し、一体となって一つの作品について語りだす。そこには若輩と人生の先輩の垣根はなく、ただ楽しいラジオ番組が再び動き始める。
今はもうラジオドラマとしての壜詰病院は終了し、朗読CDにパッケージングされて販売されている。私の手元にも一枚ある。だがそこに、作品を語り合った三人の声はない。1話1話の終わりに息をつき、和む時間は存在しない。代わり流れるのは壜詰病院の結末の物語。番組では最後の2話を流していない。重石は重石のままであるのだろうか。それとも晴れやかなエンディングを迎えるのか。
あえて内容を語りはしないが、もしあの三人がエンディングを一緒に聞き終えたなら、今までのどの回よりも暖かな空気で感想を語り合ってくれるだろう。私はそう信じている。
私はこの朗読終わりの空気が好きだった。パーソナリティー三人が溜めていた息を吐き出し、一体となって一つの作品について語りだす。そこには若輩と人生の先輩の垣根はなく、ただ楽しいラジオ番組が再び動き始める。
今はもうラジオドラマとしての壜詰病院は終了し、朗読CDにパッケージングされて販売されている。私の手元にも一枚ある。だがそこに、作品を語り合った三人の声はない。1話1話の終わりに息をつき、和む時間は存在しない。代わり流れるのは壜詰病院の結末の物語。番組では最後の2話を流していない。重石は重石のままであるのだろうか。それとも晴れやかなエンディングを迎えるのか。
あえて内容を語りはしないが、もしあの三人がエンディングを一緒に聞き終えたなら、今までのどの回よりも暖かな空気で感想を語り合ってくれるだろう。私はそう信じている。