ゲームキッズ朗読館
声って、声優って。
レビュアー:ヴィリジアン・ヴィガン
ニコニコ生放送で、毎週放送していた「星海社アワーfeat.2013年のゲームキッズ」を見ていた人なら分かるだろう。
渡辺浩弐のショートショートを一話、一人の声優に朗読してもらう企画だった。
それが、五話で五人分である。
この豪華さ! 圧倒的なボリューム! 徳島よ、これが朗読だ!
一応五人分の感想を書くので、さすがに長くなります。あしからず。
★阿久津加菜「彼の両手の中で」
最愛の人に死が迫ったとき、きっと人は何でもしてしまうに違いない。相手を思う気持ちにどっぷり浸かった女性の狂気を丁寧に演じきった。
作中の彼女は、彼のためなら四肢も平気で差し出すのではないかと思わせる迫力があった。誰かを愛することの重さからくる恐怖を感じた朗読だった。
★五十嵐裕美「にせものの月」
終わった後のトークでは、「噛んだ」と悔やんでいたが、全く気にならなかった。やり直せないライブ感もまた朗読の魅力だと思う。読み手が気にせず作品に集中して続ければ、聞き手も気にせずに作品の世界に入っていける。
不倫の話だった。
最後の妻のセリフが強く印象に残っている。「人間って変なことするわよねぇ」が、主人公である旦那を遠回しに責めるミサイルのように思えた。
★加隈亜衣「運の良い石ころ」
トークでは「無意識にゆだねた」と語っていた彼女だが、私は「こう読もう」と決めてかかったのだと思っていた。分からないものである。
聞いていて、色鉛筆とクレヨンで描いたような、優しいタッチの石ころの絵が浮かんだ。その絵で作られたショートムービーを観賞したような気持になった。
★森谷里美「オンリーユー」
Amazonから送られてくるメールがこの声で再生されれば売り上げが伸びると確信した。ネット通販をテーマにした作品が、何年も前に書かれたことも驚きである。
途中、朗読が途切れる箇所があるのだが、「人間がしゃべるのを止めた」のではなく「機械のスイッチが切られた」感じが素晴らしかった。一瞬マイクが壊れたのかと思った。あたたかみのある人間的な声の裏にひそむ、機械的な冷たさを感じさせるお話がきれいに再生された。
★松嵜麗「人生支援課」
支援課の職員と、訪れた女性の対話でストーリーが進む。
先にことわっておくが、松嵜さんは美人である(確定)。ただ、訪れた女性の声を出しているときは、同じ顔なのに物凄くブサイクに見えるのだ。なんとなくだが声だけで、太っていてメガネをかけ髪ボサボサな女性を想像した。
美人っぽい女性職員とブサイクな女性というわかりやすいキャラ分けは、もちろん彼女の演出である。
声って、声優ってすごい。
五人と太田さん、納谷さんを交えてのトークがありその後、質問を受け付けた。
私はトークの内容から気になることがあったので手を挙げた。マイクを渡された。
質問しようとしたら五人がめっちゃこっち見てて、びっくりして一瞬質問の内容が飛んで、頭がからっぽになった。五人の後ろにあるufotable CINEMAのスクリーンを見た。
大丈夫、自分が慌てていると知っているのは自分だけだ。
「答えていただくのはどなたでも構わないのですが……」マイクを使って話し始めた。内心とても焦っている。言葉がすんなり出てこない。
ちょっ! めっちゃ見てる! めっちゃこっち見てる!
後から気づきました。質問していいのは、美人5人にめっちゃ見られても、キョドらない奴だけだと。
そんなこんなで、拙い質問になってしまいましたが、阿久津さんが真摯に質問に答えて下さいました。ありがとうございました。
星海社関係ないけど「この後ライブあるんで来てください」と言っていたので行きました。初めてサイリュウム振りました。ありがとうございました。
朗読して、トークして、歌って、盛り上げて、声優ってすげえなぁ。
渡辺浩弐のショートショートを一話、一人の声優に朗読してもらう企画だった。
それが、五話で五人分である。
この豪華さ! 圧倒的なボリューム! 徳島よ、これが朗読だ!
一応五人分の感想を書くので、さすがに長くなります。あしからず。
★阿久津加菜「彼の両手の中で」
最愛の人に死が迫ったとき、きっと人は何でもしてしまうに違いない。相手を思う気持ちにどっぷり浸かった女性の狂気を丁寧に演じきった。
作中の彼女は、彼のためなら四肢も平気で差し出すのではないかと思わせる迫力があった。誰かを愛することの重さからくる恐怖を感じた朗読だった。
★五十嵐裕美「にせものの月」
終わった後のトークでは、「噛んだ」と悔やんでいたが、全く気にならなかった。やり直せないライブ感もまた朗読の魅力だと思う。読み手が気にせず作品に集中して続ければ、聞き手も気にせずに作品の世界に入っていける。
不倫の話だった。
最後の妻のセリフが強く印象に残っている。「人間って変なことするわよねぇ」が、主人公である旦那を遠回しに責めるミサイルのように思えた。
★加隈亜衣「運の良い石ころ」
トークでは「無意識にゆだねた」と語っていた彼女だが、私は「こう読もう」と決めてかかったのだと思っていた。分からないものである。
聞いていて、色鉛筆とクレヨンで描いたような、優しいタッチの石ころの絵が浮かんだ。その絵で作られたショートムービーを観賞したような気持になった。
★森谷里美「オンリーユー」
Amazonから送られてくるメールがこの声で再生されれば売り上げが伸びると確信した。ネット通販をテーマにした作品が、何年も前に書かれたことも驚きである。
途中、朗読が途切れる箇所があるのだが、「人間がしゃべるのを止めた」のではなく「機械のスイッチが切られた」感じが素晴らしかった。一瞬マイクが壊れたのかと思った。あたたかみのある人間的な声の裏にひそむ、機械的な冷たさを感じさせるお話がきれいに再生された。
★松嵜麗「人生支援課」
支援課の職員と、訪れた女性の対話でストーリーが進む。
先にことわっておくが、松嵜さんは美人である(確定)。ただ、訪れた女性の声を出しているときは、同じ顔なのに物凄くブサイクに見えるのだ。なんとなくだが声だけで、太っていてメガネをかけ髪ボサボサな女性を想像した。
美人っぽい女性職員とブサイクな女性というわかりやすいキャラ分けは、もちろん彼女の演出である。
声って、声優ってすごい。
五人と太田さん、納谷さんを交えてのトークがありその後、質問を受け付けた。
私はトークの内容から気になることがあったので手を挙げた。マイクを渡された。
質問しようとしたら五人がめっちゃこっち見てて、びっくりして一瞬質問の内容が飛んで、頭がからっぽになった。五人の後ろにあるufotable CINEMAのスクリーンを見た。
大丈夫、自分が慌てていると知っているのは自分だけだ。
「答えていただくのはどなたでも構わないのですが……」マイクを使って話し始めた。内心とても焦っている。言葉がすんなり出てこない。
ちょっ! めっちゃ見てる! めっちゃこっち見てる!
後から気づきました。質問していいのは、美人5人にめっちゃ見られても、キョドらない奴だけだと。
そんなこんなで、拙い質問になってしまいましたが、阿久津さんが真摯に質問に答えて下さいました。ありがとうございました。
星海社関係ないけど「この後ライブあるんで来てください」と言っていたので行きました。初めてサイリュウム振りました。ありがとうございました。
朗読して、トークして、歌って、盛り上げて、声優ってすげえなぁ。