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読者レビュー

銅

森川空のルール#番外編 言葉で表せないことは行動で示すべし

遠距離恋愛

レビュアー:ジョッキ生 Knight

森川空って誰なんだ!これを読んでいて思った感想はこの一言に集約されます。だって全く出てこないんだもん!なのに会話の節々には森川空がいっぱい出てくる。なんだこりゃと思うわけです。会話の端々から情報を読み取っていけば今はもう学校にいない。変わり者だった。主人公に告白し二人は付き合っていた。森川空に関する情報はたったこれだけ。マジかー。いったいどんな子なんだ?もういないってことは二人は別れたのか?そもそもなんでいないんだ?いろいろな疑問が僕の頭を駆け巡った後、ふと気づいたのは僕はどうしようもなくこの作品に囚われてしまっているということだった。

そもそもの間違いは本編を読んでいないことだ。いきなり番外編から入ったらそうなるよとまあ普通は思うだろう。しかし別に好き好んで読んでいないわけじゃあない。はっきり言ってしまえばこの番外編を読んだその瞬間から読みたくて読みたくて仕方がなかった。じゃあ何で読んでいないのかと言われれば読めないからに他ならない。そう本編がiPhoneアプリという特殊な媒体の小説なのである。まさかのハードルに絶望した。まさかiPhoneをまず手に入れてからじゃないと読めない小説が存在するとは。未知に対する驚きとともに深い深い悲しみが僕を襲った。これを悲劇と言わずなんと言おう。会いたいのに会えない。読みたいのに読めない。まさかこんな事態に陥るとは。正直出会わなければよかったんじゃないか?そう思ってしまう自分もいます。でも面白かった。出会ってよかったと強く思う自分もいて本当に身が引き千切られる思いでいっぱいです。

後々振り返ってみればこの作品が僕のiphone人生の始まりだったという日が来るかもしれない。そう考えると人生を変えるかもしれない恐ろしいものに出会ってしまったのか?僕は。あーどうしよう。買うべきか、買わざるべきか、それが問題だ。

2012.04.23

さやわか
番外編が面白かったからこその悩みを書いていただいたわけですね。悶々とした感じが出ていて、面白いと思います。ただし気になるのは、結局これは番外編の「どこが」自分の興味を引くのか、ということに特に触れた文章ではないことですね。触れているのは「いったいどんな子なんだ?もういないってことは二人は別れたのか?そもそもなんでいないんだ?」ということだけで、それはつまり筋書きが気になるということに感じられます。そうすると、はじめてこのレビューで『森川空のルール』という作品を知った読者にとっては、番外編も本編も読んでいないので、ジョッキ生さんは筋書きが気になるみたいだけど自分にとってはさほど価値ある作品でもないかなあなんて思ってしまえます。良きにつけ悪きにつけ、レビューというのは読む人に作品への興味を抱かせるようなものにしたほうが文章として映えると思いますぞ。ここは「銅」にいたしましょう。

本文はここまでです。