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読者レビュー

銅

武器としての決断思考

頭のなかの武器庫

レビュアー:よ・よ・よ Initiate

 大学の生協で聞いた。「武器としての決断思考ありますか?」店員曰く、「あー、ないですねえ」。そりゃねーよな。アホウの集まる大学の生協に置いてあっても買う奴いねーし。あの質問をしてから三ヶ月。大学の生協を覗くと置いてあった。帯には「東大NO.1ベストセラー」。格の違いを感じたね。泊の違いも感じたけど。

 授業形式の一冊。さすがにロジックを教える本だけあって、ロジカルな文章に加え、本なのに考える時間が設けられている。終始「論理的な正しさとは何か」という問題提起をし続けている。少しづつ議論が発展していく形も解りやすい。何より編集サイドの努力も見える。各章の終わりに大きな文字でまとめが書いてあり、近眼老眼なんでもござれ。さすが星海社と思わず首を縦にブンブン振った、電車の中で。

 この本の最大の良いところは、ベターを求めていないことだ。人が考えるとき、その時点のベストを目指せという。不安定な経済状況が改善されない昨今、「本物」になりたければ、この本を読むべきだろう。

ジセダイで『武器としての決断思考』を読む

2012.04.23

のぞみ
シンプルなレビューの中にこの本の良いところと、よ・よ・よさんの見た本への感想とが載せられていてとっても興味が沸きましたわ!
さやわか
うむ! 姫の指摘はまさしくその通りですな。短くてそっけなく、無骨さを意識して書いているのですが、そこが率直なレビューとしてうまく結実しています。最後に、本の一番いいところを簡潔に言い切っているのがいいですな。ただ最後の一文だけがちょっと惜しくて、経済状況とか「本物」という言葉が唐突に出てきて、それまでの文章の流れとは無関係に「読むべきだ」と結論づけている。これは残念です。つまり、勢いがあっていい書き方なのですが、なぜ不安定な経済状況が改善されない昨今には「本物」にならなければならず、なぜそのためにはこの本を読むべきなのか、そこがはっきりとは伝わってこない。それと、タイトルの「頭の中の武器庫」というのも、思わせぶりでかっこいいのですが、特にそれと絡めた内容になっていないのも悔しい。本を読めばわかることなのかもしれませんが、レビューというのはこのレビュー単体でそれを伝えなければならないわけですね。ということで「銅」といたしましょう。

本文はここまでです。