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読者レビュー

銅

じじいリテラシー

葉石かおり

レビュアー:キノケン Novice

まだ就業中の僕でも、「あ、いるいるこんな人(笑)」と、実践的な指南書としてだけではなく、ちょっとした「あるあるネタ」のような読み方もできて、非常に楽しませてもらいました。
学生である僕の周りにはよく「バイト先の店長とソリが合わないから、やめた」や「俺に向いてない、仕事つまんない」などの理由で本当にバイトを辞めてきてしまう友達がとても多い。
本著の中にも、現代っ子のそのような傾向についてしばしば触れられています。
「個」を伸ばす教育を受けた今の10代、20代の世代には、根拠がない全能感がある。これは、今まさにその世代に身を投じている自分がヒシヒシと感じています。
しかし、社会はすぐには変化しない。色々な価値観、色々な世代の人々が集まり、さらには古来の「伝統」も絡み、一つの社会が出来上がっている。
こんな簡単なことにも気づかない、「近代教育」の権化でもある僕たち若者世代は、ぜひこの本を読んで自分の価値観をぶち壊してほしいと思う。

既存の価値観をぶっ壊してこそ、自分たちの新しい道を開くことができるのではないでしょうか。

ジセダイで『じじいリテラシー』を読む

2012.04.23

のぞみ
社会と、10代20代との差ってありますわよね!
さやわか
姫、もはやレビューを評するというよりは、単純にレビューに共感してしまっている……。
のぞみ
レビューがものを考えるきっかけになるのは素敵ですわね~!
さやわか
なんかうまいこと言ってまとめましたな……(笑)。さて、レビューとしては短く、しかも文体的な読みやすさが最大にして最高の長所と言うべきでしょう。しかし、些細な言葉の選び方で内容が伝わりにくくなっている感がしないでもない。たとえば冒頭の「就業中」というのは、二段落目に「学生である僕」とありますから、たぶん「就学中」と書くべきだったのでしょう。それから、三段落目まで読むと、「あ、いるいるこんな人(笑)」の「こんな人」というのが、現代っ子のことを指しているように読める。『じじいリテラシー』という本の内容からすると、たぶんもっと年上の人のことを指していますよね? 違ったらごめんなさい。しかし、いずれにしてもそれが何を指しているのか、ちょっと伝わりにくい。これは本書を読んだことのない人に向けて、この本が何を書いているのかを含めて伝えている文章だとは言い難い。結末の前向きな感じは好ましく、「銅」ということにいたします。もうちょっと文章を客観的に読み直してみるとさらによくなると思いますぞ。

本文はここまでです。