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読者レビュー

銅

星海社ラジオ騎士団:開け!心の扉!!

こういうラジオが好きなので

レビュアー:yagi_pon Novice

ラジオがずっと好きでした。もちろん今も好きです。今でも一番好きな番組は「くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン」です。この番組は、2008年に惜しまれつつも終わってしまいましたが、先日このラジオの話題を久しぶりに目にしました。くりぃむしちゅーの有田さんと、このラジオの大ファンでゲストに来たこともあるASIAN KUNG-FU GENERATIONのボーカル後藤さんが、後藤さんの著書『ゴッチ語録 A to Z』の巻末で対談でのことです。その中で、ラジオのおもしろさは結局「内輪」なのだと、有田さんは言っています。彼が言うとおり、「くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン」は内輪ネタのオンパレードでした。スペシャルウィークというラジオ聴取率期間内での放送にて、ひたすら高校時代の友達にどういう人がいたのか、ひたすら話しているだけということもありました。ラジオに対する思いは人それぞれだとは思いますが、私は、ラジオだから聴くことのできる「内輪」な部分が非常に好きです。
さて、本題に入りましょう。星海社ラジオ騎士団の話です。この番組一つで話をするのは難しいので、比較対象を持ってきて話をしたいと思います。また少し話が逸れるのですが、この星海社ラジオ騎士団が配信されている響というサイトには、以前に訪れたことがありました。それは偶然にも内容の近いものだったので、今回はそれを比較対象にしたいと思います。その番組は「沢城みゆきと12の夜」というもので、CD化もされたWebラジオの中ではなかなかのヒット番組だと思います。この番組は、声優・沢城みゆきさんと交流のあるプロフェッショナルなゲストを毎回招いて話をする番組です。毎回ゲストを呼ぶという形式も似ているため、比較はしやすいと思います。この番組で私が特に好きな回は、脚本家の岡田麿里さんがゲストに来た回です。”私は岡田さんのことを「まりりん」と呼ぶのに、岡田さんは私のことを「沢城」と呼ぶ。混沌としてる。そんな風に呼ぶ女性は事務所の社長とあなただけだ!”という二人の会話や、”あだ名はあまりつけられないけれど、小学校の頃は背が高かったので「ゴーレム」と呼ばれていた。目の前でたて笛を吹かれて眠れと言われた”という岡田さんの話などなど、すごくパーソナルな話が笑えておもしろい。もちろんそうした仲好しとしての話だけではなく、プロフェッショナルな話もある。”脚本家として作品に参加するときと、シリーズ構成として作品に参加するときの違いは?”などと言ったリスナーからの質問をぶつけたりもする。私が個人的に、星海社ラジオ騎士団の特にゲストコーナーでがんばってほしいなと思うところは、上記でいうところのパーソナルな話の部分です。パーソナルが現状は話がないわけではありません。開け!心の扉!!というコーナーではゲストへの質問でパーソナルな話をしていると思います。ではなにが足りないのかといえば、その人とだからできるパーソナルな話だと、私は思うのです。先ほど出てきた二人はどう呼び合っているのかという話に象徴されるような、この二人ではなかったら確実にしないであろうな、という話。例えば、パーソナリティの一人である平林さんは星海社で編集として働いているわけだから、じかに担当した人が来ることもあるわけで、「雑誌のインタビューで聞いても同じことが返ってくるんじゃないの?」と思う以上のおもを引き出せると思います。また、もう一人のパーソナリティであるさやわかさんも、団長として星海社レビュアー騎士団をやっているわけだから、「こういうレビュー来てますけどどうですか?」なんて聞いてみてもいいと思うのです。「実はこの本、全部iPadで執筆しました」くらいの驚きが提供されてほしいと思います。レビュアー騎士団でも、金をもらったレビューは大概、すごくパーソナルな話が絡んでいるじゃないですか? その人だから書ける話というのがおもしろいので、星海社ラジオ騎士団でもぜひ、星海社ラジオ騎士団でしか聞けないような内輪な話を期待したいなと、個人的には思ってします。

最前線で『星海社ラジオ騎士団』を聴く

2012.04.02

のぞみ
……おおお。団長!ついに来ましたのね! ラジオのレビュー……。
さやわか
我々がやっているにもかかわらず、全然来る気配がなかったラジオのレビューですな(笑)。
のぞみ
このレビューを読んでいるとすごく反省会をしなくてはならない気持ちになりましたわ! 会議ですわ! 今後のラジオ騎士団について、会議しなくてはですわ~~!!
さやわか
姫の盛り上がりに応えるまでもなく、貴重なご意見を参考にさせていただくところではありますぞ! しかしここはレビュアー騎士団、自分たちについて書かれたものであっても同じ基準でジャッジするのが矜持である! ということでこのレビュー、と言いたいところですが、これはレビューというよりは希望や要望に近いと思います。我々が読むからそのような書き方をなさったのかもしれませんな。ラジオに対する愛情は感じられるので「銅」ということにはなるでしょう。個人的なラジオに対する嗜好を要望として伝える段では論理的であるとも言える。しかしレビュアー騎士団のルールにおいて「銀」の基準である論理性は「自分がなぜそのように作品を読んだのかについて、または前述の『愛情』について」発揮されるべきだとされています。つまりyagi_ponさんが「なぜ」ラジオだから聴くことのできる「内輪」な部分が好きなのかがわかったほうがレビューとしては説得性が高くなる。逆に言えば「自分はこういうものが好きだ。その理由はこうだ。だからこうしてほしい」という話の流れで、この2行目がなかったとしたら、単に自分好みのものがほしい、というだけに読まれてしまいやすい。レビュアー騎士団のルールにおいて「論理性」のポイントはここです。文章として整ったものにしてほしいというのではなくて、自分の「愛情」を相手に納得させるために必要とされるのですな。これは実は、レビューだけでなくてyagi_ponさんが書こうとした「要望」を他人に伝える際にも大事なことだと思いますぞ。

本文はここまでです。