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読者レビュー

銅

フェノメノ case:01

新しいホラー

レビュアー:キノケン Novice

今まで、数多くのホラーを読んできましたが、これは実に新しいホラーだと思います。
今までのホラーは、最初から怖い雰囲気を出そうと、重々しい文体で一貫して書かれている印象を持つことが多かったのですが、今作品では、怖い部分と、日常的な場面とのメリハリが非常によくとれていて、最後までどういうオチなのかを全く読むことができませんでした。

オチも秀逸だと思います。ネタバレはしたくないので詳細には書きませんが、「なんだよ、これでホラーなのかよ」という流れから夜石の一言でそれが逆転。「全然怖くないじゃんか」と油断していただけあって、読み終えた瞬間には全身が鳥肌立ってしまいました。

今まであまり光の当たることのなかった「ホラー」という領域に、新たな読者たちを引き込むことのできる、力のある小説だと思います。

続編を、大きな期待を胸に待っていたいと思います。

最前線で『フェノメノ』を読む

2012.04.02

のぞみ
『今まであまり光の当たることのなかった「ホラー」という領域に、新たな読者たちを引き込むことのできる、力のある小説だと思います。』というところで、どんなホラーなのかな~って興味を持ちましたわ~!
さやわか
ホラーをよく読む者の立場からの意見ということで、目を引くものがありますな。ラスト2行の堂々とした感じもよい。ただ、この小説が「実に新しい」という部分がなんなのか、ちょっと伝わりにくいように思いました。ネタバレについて配慮されたのはわかるのですが、それでも何か具体的にどう怖いとか、日常的な場面はどんな感じだから油断させられるのかとか、そういう説明があるとよりよかったのではないかと思います。そうすれば書き手の期待通りに、この小説を通して新たなホラー読者を育てることができるのではないでしょうか? ここでは「銅」を授与したいと思います!

本文はここまでです。