マージナル・オペレーション
乾ききった老人のような若者がいい
レビュアー:しどぅす
生活保護を受ける度胸もなく、良心を捨てる事も出来ず、常識に囚われたままでただ生きている。
そんな乾ききったニートが民間軍事会社に勤めるという、もうこれだけで興味を掴まれる。
そう他人事ではない。自分にはぴったりのテーマだ。
Web上に公開されている(執筆時点は第4章まで)作品を読む限り、変わらぬ芝村氏の作風を感じる。
話をよく聞いているし、見ている。ストックしているし、分析している。それらの上で、想像力の翼が大きくはためいている。
そんな印象を感じる文体は健在だ。おそらく名前を隠しても、読めば氏の作品だとわかっただろう。
芝村氏の作品だと思う特徴は、まだある。
まず、記憶力がよく優秀だが、それを快く思えない主人公。
次に、下手な事を喋らない、誠実な相棒。ともすれば、相棒のほうが主人公に向いている。
純粋だが、平常は少女らしくなく、主人公に関わることには少女になる少女。
これらの特徴で氏の作品のいずれかを思い出す人は、この作品を読むことを最もオススメできる潜在読者だ。
過去の作品を想起させるような名前も、一部だが、出てくる。
この作品はSFではないが、現実のような非日常で展開される、そんな彼の物語を読む事が出来る。
コンピューターゲームで訓練というのは、実際に、米軍がFPSが上手いゲーマーを募集しているというニュースを見たことがあったので、なるほどなと思わされた。実際にこんな感じなのだろうかと楽しくなる。
また、他国から日本人への様々な評価を受けるので、それも読んでいて実に楽しい。
作品としては、氏の短い作品の、眼鏡をかけたさえない主人公を思い出すが、その単なる焼き直しではない印象を与えるのが、ソフィーの存在だ。
彼の作品には、ついぞ見なかったような性格。出てきたとしてもすぐ死ぬような人間。それが生きている。深く主人公に関わっている。
ソフィーがどういう影響を主人公に与え、どういう存在になっていくかが興味深い。読み進めたくなる一つの理由だ。
次の章の公開が非常に楽しみである。その際、またこの作品の評価も変わるだろう。
そのレビューを一つ一つ書いていけるこのレビューシステムは、なかなかどうして優れている。
氏の作品に、良い意味で、振り回される事を楽しみにしている。
最前線で『マージナル・オペレーション』を読む
そんな乾ききったニートが民間軍事会社に勤めるという、もうこれだけで興味を掴まれる。
そう他人事ではない。自分にはぴったりのテーマだ。
Web上に公開されている(執筆時点は第4章まで)作品を読む限り、変わらぬ芝村氏の作風を感じる。
話をよく聞いているし、見ている。ストックしているし、分析している。それらの上で、想像力の翼が大きくはためいている。
そんな印象を感じる文体は健在だ。おそらく名前を隠しても、読めば氏の作品だとわかっただろう。
芝村氏の作品だと思う特徴は、まだある。
まず、記憶力がよく優秀だが、それを快く思えない主人公。
次に、下手な事を喋らない、誠実な相棒。ともすれば、相棒のほうが主人公に向いている。
純粋だが、平常は少女らしくなく、主人公に関わることには少女になる少女。
これらの特徴で氏の作品のいずれかを思い出す人は、この作品を読むことを最もオススメできる潜在読者だ。
過去の作品を想起させるような名前も、一部だが、出てくる。
この作品はSFではないが、現実のような非日常で展開される、そんな彼の物語を読む事が出来る。
コンピューターゲームで訓練というのは、実際に、米軍がFPSが上手いゲーマーを募集しているというニュースを見たことがあったので、なるほどなと思わされた。実際にこんな感じなのだろうかと楽しくなる。
また、他国から日本人への様々な評価を受けるので、それも読んでいて実に楽しい。
作品としては、氏の短い作品の、眼鏡をかけたさえない主人公を思い出すが、その単なる焼き直しではない印象を与えるのが、ソフィーの存在だ。
彼の作品には、ついぞ見なかったような性格。出てきたとしてもすぐ死ぬような人間。それが生きている。深く主人公に関わっている。
ソフィーがどういう影響を主人公に与え、どういう存在になっていくかが興味深い。読み進めたくなる一つの理由だ。
次の章の公開が非常に楽しみである。その際、またこの作品の評価も変わるだろう。
そのレビューを一つ一つ書いていけるこのレビューシステムは、なかなかどうして優れている。
氏の作品に、良い意味で、振り回される事を楽しみにしている。
最前線で『マージナル・オペレーション』を読む