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読者レビュー

銅

竹『竹画廊画集2010-2011』

竹画廊の魅力

レビュアー:USB農民 Adept

『竹画廊画集』の魅力を一言で言い表すのは難しい。
 それでも言葉を探り当てようとすれば、その魅力は「息づかい」だと私は思う。

『竹画廊画集』には、竹さんが日常の中で着想を得て描いたイラストが多数収録されている。
 寒い日や暑い日や、星や月が綺麗だった夜や、歩いていて見かけた女の子が可愛かったことや、セミの抜け殻を見つけたことなど、何気ない日々の情感がイラストからよく伝わってくる。絵の横に添えられた簡単なコメントもまた、日常の出来事の手触りを教えてくれている。

 静かな部屋で一人、暖かいお茶でも飲みながら、縦に長い風変わりなページを一枚一枚ゆっくりとめくっていくと、イラストからの息づかいが聴こえてくるようだ。それは、そこに描かれた人物の落ち着いた呼吸音であるような、あるいは竹さんの毎日の生活の一部を構成する情感でもあるような。
 そんな、息づかいだ。

最前線で『星海社竹画廊』を見る

2012.03.09

のぞみ
竹さんの絵を見ていると、ほっこりした気持ちになりますわよね〜。
さやわか
画集に関して、竹さんの日常のほっこりした感じがしみ出ているのを、ここでは「息づかい」として表現しているわけですな。同時にそれを描かれた人物の呼吸と重ね合わせているのが、レビューとしてはうまい部分だと思います。ただ、もうちょっとだけ具体的に書かれているとありがたかったように思いますぞ。もちろん個々の絵にもきちんと言及されていて、それは重要なことなのですが、たとえば今の状態だと別の画集について書かれた文章だと言っても何となく通用しそうです。そうでなくするためには、たとえばこれがブログ形式で日記のようにして綴られた画集であるということなどをもっと強調してもいい。そうすれば「日常の息づかい」という言葉がこの画集にとってふさわしいということがよりはっきりしてくるのではないでしょうか。というのは一例ですが、もう少し画集と「息づかい」という言葉を密接につなげる形にしてみてはいかがでしょう。今回は「銅」にいたします。

本文はここまでです。