Fate/Zero
小さな愛蔵版として『Fate/Zero』を楽しむ
レビュアー:USB農民
『Fate/Zero』の口絵はすべてカラーで、素晴らしい。
物語上、夜の風景が多く描かれているが、それらは光も色も実に多種多様だ。静かな夜。厳かな夜。悪夢めいた夜。ひとつひとつが異なる夜の姿を描き出している。(特に一巻ACT.2扉ページの左側の色。最初はインクが滲んでるようにしか見えなくて、これ流石に印刷ミスなんじゃないかと思ったが、じっと見ていると、木々の向こうに浮かぶ月明かりが、その木々を煌々と照らしている故の微妙な色加減なのだとわかる。絶妙)
文庫とは思えない程の出来映えだ。
それともう一つ、イラストの重要な効果がある。
この小説の口絵は、ほぼすべて風景が占めている。キャラクター小説において、口絵でキャラクターが描かれないのはとても珍しいし、口絵が一切ないキャラクター小説とも『Fate/Zero』は異なっている。
物語をすべて読み終えてからもう一度、すべての口絵を見てほしい。その風景がどんな場所であり、どんなドラマがそこにあったのか、明瞭に脳裏に浮かび上がってこないだろうか。十二日間の戦いのすべてが、口絵を眺め直すだけで確認できる。こういう小説の楽しみ方ができるのは『Fate/Zero』ならではだし、それを支えているのはカラー口絵に込められた言葉なき説得力と存在感だ。
読み終えてからしばらく後、時折本棚から取り出して、何枚かの口絵を眺める。
かつて体験した物語の余韻を思い出すために。
そんな楽しみ方ができるのも、この小説が「愛蔵版」であるからこそだろう。
物語上、夜の風景が多く描かれているが、それらは光も色も実に多種多様だ。静かな夜。厳かな夜。悪夢めいた夜。ひとつひとつが異なる夜の姿を描き出している。(特に一巻ACT.2扉ページの左側の色。最初はインクが滲んでるようにしか見えなくて、これ流石に印刷ミスなんじゃないかと思ったが、じっと見ていると、木々の向こうに浮かぶ月明かりが、その木々を煌々と照らしている故の微妙な色加減なのだとわかる。絶妙)
文庫とは思えない程の出来映えだ。
それともう一つ、イラストの重要な効果がある。
この小説の口絵は、ほぼすべて風景が占めている。キャラクター小説において、口絵でキャラクターが描かれないのはとても珍しいし、口絵が一切ないキャラクター小説とも『Fate/Zero』は異なっている。
物語をすべて読み終えてからもう一度、すべての口絵を見てほしい。その風景がどんな場所であり、どんなドラマがそこにあったのか、明瞭に脳裏に浮かび上がってこないだろうか。十二日間の戦いのすべてが、口絵を眺め直すだけで確認できる。こういう小説の楽しみ方ができるのは『Fate/Zero』ならではだし、それを支えているのはカラー口絵に込められた言葉なき説得力と存在感だ。
読み終えてからしばらく後、時折本棚から取り出して、何枚かの口絵を眺める。
かつて体験した物語の余韻を思い出すために。
そんな楽しみ方ができるのも、この小説が「愛蔵版」であるからこそだろう。