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読者レビュー

銅

エトランゼのすべて

同じ暖かさ

レビュアー:yagi_pon Novice

庭さんのイラストの魅力を単行本における庭さんの紹介文では「しなやかさと暖かさ」と表現されています。庭さんの描くキャラクターたちは非常にかわいらしく魅力的です。またそれだけではなく、通常かわいらしいキャラクターを描くことで失われてしまうような人間らしい「しなやかさ」であったり、血の通っているような「暖かさ」だったりするものが、庭さんの描くキャラクターにはあります。そうした「しなやかさと暖かさ」が、私はとても好きです。

さて、そんな庭さんがイラストを担当している『エトランゼのすべて』なのですが、庭さんのイラストに負けず劣らず、素敵な物語になっています。負けず劣らずと競い合っているというよりは、庭さんのイラストが森田さんの文章をより引き立たせ、森田さんの文章が庭さんのイラストをより引き立たせているそんな関係ですね。相乗効果がすごいです。

森田さんが書くこの物語って、すごい!ってびっくりしたり興奮したりするような話ではないと思うんです。けれども、読み終わったあとに、素敵だなと思えるようなたしかな暖かさがあります。そしてその暖かさが庭さんのイラストと同じ暖かさなのがまた心地よくて。最後のイラストで幸せそうに笑い合う二人と同じような気持ちと、読み終わったあとの幸せな気持ちの暖かさが、ちょうど同じくらい。

庭さんのイラストに魅力を感じた人には、ぜひとも読んでほしいですね。そして読んでしまった身としては、森田さんと庭さんのコンビの作品をもっと見てみたいなと、もっとこの暖かさに触れてみたいと、そう思います。

2012.01.30

のぞみ
レビューを読んでいるだけで暖かな気持ちになりましたわ(*^_^*)
さやわか
わりとあっさりした文章なのですが、読後の好意的な感想が率直に出ているから、いいのでしょうな。物語とイラストがどんなふうに高め合っているのか、読んでみたくもなります。
のぞみ
イラストと文章の相乗効果って素晴らしいですわね!
さやわか
ちょっと気になったのは、「暖かさ」という言葉が本に付けられた紹介文によってのみ、引き出されていることです。レビュアー騎士団では、こうした紹介文や広告、帯の文句から言葉を引き出してレビューを書かれる方が非常に多いのですが、その場合はそこから実際に作品を読んでどのようなポイントでそれを実感したのかを書いた方がいいと思います。でないと、紹介文や広告の言葉をそのまま書いているのに近くなってしまいますからな。yagi_ponさんのこのレビューも、「暖かさ」をどのように実感したのかということが語られるのには、少しだけですが、足りていないように思いました。そこが惜しい。ということで「銅」にさせていただきました!

本文はここまでです。